サマーウォーズ

休日出勤四日目の帰り、川崎の109シネマズにて。見ていて三回泣いた。これは「オトナ帝国の逆襲」(ヒロシの回想→オレの人生はつまらなくなんかない→オラはオトナになりたい)に匹敵する泣き場面の多さであり、オレ史上かつてない泣きっぷりだった。なんというか、丹念に人が泣く所を突いてくる話だったな。もう一回映画館でみたいもんだ。

おじいちゃん、おばあちゃん子である私は、元来『ビッグフィッシュ』とか映画『サトラレ』を見ると号泣しちゃうわけで、『ビッグフィッシュ』での「息子が作る最後のホラ話」とか、『サトラレ』の八千草薫さんが子どもを背負って夜中走る場面とか見てるだけで泣けてくるので、まずそこで一回。

あとはマザー2のラストバトルとかやっていて泣いてしまう人なので、あそこが一番来た。最初ケンジ君がログインしてきたんだろうな。と思っていたので、余計に来た。十五年くらい前に「ワルキューレの伝説」のファンブックに書いてあった「一人のワルキューレが戦うよりも、百人のサンドラが悪魔と戦うべきなんだ」論を読んで以来、『ダイの大冒険』の最後のまぞっほみたいな話の振りにオレは弱いんだ。最後の一回は永井一郎さんの最後の語りから始まるところで、キングカズマの行く手でさーっと群衆が二手に分かれて見送るような視線を向けるところ。ああ、オレはなんか、人の集まりというのがそんなに悪意に満ちたものじゃないものだと信じたいんだなあ。たぶん。

あの世界の廻りを廻ってる輪っかみたいなのは「時かけ」へのセルフオマージュなのかな。あと、ゲームチャンプのゲイナー君は映画の4分の3が終わるころまで女の子だと思っていた。周囲のオトナたちの反応でようやく男子だと認識した。

とりあえず、最後に。大学時代の貴重な十数時間を『サクラ大戦』のミニゲーム花札に費やし、異様な強さを誇るサクラさんを倒すまでやり混んだのは、この映画を観る上で、無駄ではなかった。あれをやっていなければ、泣き所を一回見逃すところだった。

他に正解者が50人もいたのに、なんでわざわざ失点のあった主人公を狙ったのか、とか、疑問に思わないではないが、まあたぶん、他の誰かがなりすまされていたら、それなりのストーリーになったんじゃなかろうか。そんなに大勢の人間が解ける暗号だったら、鉄壁じゃないような気がするが。いくら便利だからといって、実際の人間とシステム上の権限を合わせるということが実際にできるとは思えないが、まあそれはそういうものなんだろう。あと、花札の点数計算があっているのか違うのかはまるで不明。なんでお互い、あんなキリよい数字が残ったんだ?というのは、なんか納得がいってない。

臼井儀人さんのご訃報より数日。