龍馬伝に期待してみる

天地人も終わったし、坂の上の雲は普通に金がかかっているし、あとは龍馬伝に期待したいことを書こうと思ったが、ＪＩＮにでてくる坂本龍馬（内野聖陽）は概ね希望通りのキャラクターなので、あれで十分だと思った。

ＪＩＮの龍馬のいいところ。

• 風貌が小汚く、むさくるしいオッサンである。
• すぐ大言壮語するが、自分が口先だけの人間であるとも自覚している。
  • それでも度々、相手の説得に失敗したり、新たなトラブルを作る。
• 花魁に惚れ込み、花街に足繁く通うエロ親父である。

なんだろうなあ。いつの頃から（「北条時宗」あたり？）続く、大河ドラマの主人公の無謬性は。「悪いことは周りの人間のせいで、本人は常に平和と愛を信じているのです」的なうさんくささは。あの、まるでファイアーエムブレムのマルス王子のようにうさんくさい人物設定は、『篤姫』『天地人』と続いたので、今度こそやめてほしい。

……さすがに『紋章の謎』もリメイクされないまま長い（『暗黒龍』から一年ぐらいで『紋章の謎』もリメイクされないかなあ。俺は『紋章の謎』の方が好きなんだよなあ。キャラクターではマリーシアとか、エルレーンとか、ユミナ＆ユベロとか。イベントではロレンスとかボア司祭の死ぬところとか）ので、『ファイアーエムブレムのマルス王子のようなうさんくささ』というのは、なにかというのを解説すると、解放軍ってようするに侵略軍であって、相手の国へ攻めていって王を殺して、傀儡を置いて分割統治するのって、自分がされたことを相手の国に仕返ししているだけですよね。なんで相手がやると悪の帝国で、自分がやると正義の味方なんですか。しかも、その体制が崩壊するのは全部他の国の責任。自分は何一つ悪くないのに、他国の将軍やら王族やらが浅はかだったために、一生懸命作った戦後体制が崩壊して、なんて可愛そうな我が国。だからもう一回全部俺が征服しなおしてやるよ。的な、なに、そのご都合主義。的なうさんくささのことです。

『天地人』の反省から、今度は「それぞれの理想と理想がぶつかり合う」「幕末の群像劇」が見たいなあ。佐幕派も、薩長も日本のことなんて何も考えないで勢力争いをしていただけだったけど、一人の人間（龍馬）が偉かったから、現在の日本があるのです。的なまとめかただけはしないで欲しい。『天地人』見た後だと、それやりそうで、ものすごく怖い。単に龍馬のラブコメと、こんなに龍馬がえらかったから、薩長や幕府が私利私欲にはしっていても、なんとかなったのだ。的なまとめ方は辞めて欲しい。龍馬に次々と周囲が説得されて、賛同者がひたすら増えていくような展開も辞めて欲しい。武市半平太も草葉の陰で泣くと思う。