ペルソナ3 (FES版) クリア後感想 ネタバレ

プレイ時間93時間。ペルソナ4より10時間ぐらい長く遊んだ。
4→3の順番で遊んだのでいくつか不満点はあったものの、概ね楽しめた。

4と3の比較

思うに、ペルソナ4のテーマが「人は日々を漠然と生きるのではなく、自らの真実に向かっていく意図をもって生きるべきだ」という話だったのに対して、ペルソナ3は「いずれ死によって終わる時間を生きる意味とはなにか」という話だったと思う。ああ中二病くさい。

4に登場する家族(主人公含めた堂島家とか、天城旅館一同、りせのお祖母ちゃんとか、完二の母親とか、ジュネス一同とか、小西酒店とか含んで、コミュでも児童保育の母親とか受験生とかエンゲキブの子とか)って基本的に家族円満だったり、家族になるまでの物語なんだけど、3の家族(主人公を残して死んでいる主人公一家、10年前の事件で離散したゆかり家、親子仲の悪い風花の家、父親が好きすぎてギクシャクして結果あれな会長の家、ゲーム開始時点で孤児な真田と荒垣と天田、飼い主を亡くしたコロマル、姉妹の最後の一人のアイギス、離婚家庭の舞子とか、一家離散後の僧侶とか)ってみんな離散していて、みんな家族から離れて生きていく、というのが対照的だと思った。

楽しめたところー

4と全然雰囲気が違うところ。最初は「都会は冷たい」と思ったが、今振り返るとたぶん同じような雰囲気のゲームだったら飽きたと思う。暖かみのある4と比べて、3は都会的でオサレで暗くて孤独な世界観が良かったと思うんだぜ。
シャドウの後ろを取るのが、4に比べてゲーム的で面白かった。4だとダンジョンマップが単調すぎて、あんまり後ろから殴れなかったんだけど、3はダンジョンが細かい分、敵の視界の外から攻撃とかがしやすかったのが良かった。
あと、ペルソナのゲームシステムに慣れてから遊べたところ。順番的に4はコツがつかめてなかったんだけど、今回はコミュを進めるコツが分かっていたので、4よりも最後までイベントを見れたコミュが一杯あって、エンディングで寂しい思いをしなくてすんだ。

不満点

一番の不満点は主人公がほぼストーリーに絡んでないところ! 綾時がいなかったら、主人公単体だと出番が全くなかったんじゃないか? みんなが弱ってるときとか、ペルソナが進化するときも、ほとんど主人公絡んでなかったし。
やっぱり、3の特別課外活動部は”みんなで何かする”イベントがなさ過ぎる! じゅんぺーと会長とか、会長と天田君とか、最後までいっても部活内でつながりのない人間関係がえらく多い。こう、仕事以外の会話をしていないメンバーが多い気がする。もっとプライベートでも仲良くすればいいのに。
ゲーム期間中のほとんどの時間で、タルタロスにストーリー上の意味がないところ。あそこを駆け上ることと、日付がすすんでストーリーが進むことがリンクしてなかったのが、すごくイマイチ感。
システム的にはやっぱりこなれてなくって、タルタロスの1Fに戻ると全回復するから延々と探索が続けられてしまうとか、疲労の概念が序盤しか意味ないとか、店がやたらいっぱいあるとか、コミュのリバースとか、仲間の装備をメニューから変えられないとか、終盤高校生が四百万円ぐらいの現金を持って歩いてる金銭感覚が変だとか、後半(塔と悪魔のコミュが終わった後)夜にすることがなくなっちゃうとか、主人公の能力がすぐマックスになるとか、防御できないとか、そんなとこかな。仲間を直接操作できないのは、別にいいかなと思った。4でもあんまりやってなかったし。
あ、あとミクスレイドが意味ない!。最初は順調なんだけど、レベル20ぐらいのときに、レベル50台のトールが必要なミクスレイドが指定されるとか、特定コミュランクを10にしないといけないミクスレイドが真なか位で指定されるとかあって、全然ミクスレイドは進まなかった。

ゆかりっちとアイギスと会長とふーか

ゆかりっちはチエちゃんと比べて割とヒロインしてるな、と思った次の瞬間にはアイギスにヒロインの座を奪われて、気がつくと会長と百合っぽい関係になっていたのがナイスだと思った。アイギスは明らかに一人だけ顔立ちが整いすぎていて逆にどうかと思った。会長は戦闘でヒマがあるとマリンカリンするのが萌えポイントなんだろうな、と思った。正直、会長にはボスバトルで足をひっぱられた記憶しかない。ふーかは一番まともなキャラなんだけど、その分エキセントリックな課外活動部の仲では浮いてたような気がする。

じゅんぺーと先輩と天田君と荒垣先輩

じゅんぺーは正しく作品の主人公だった。精神的成長したし、人間関係も築いたし、恋愛したし、ついでにいえば自分のプレイではラスボスだってじゅんぺーが倒した。テレっテのくせに。真田先輩は完璧に「笑われる」側のキャラだったのが良かったです。最初のころの、重い過去をもっていそうな先輩の姿は中盤ごろからなくなっていたのがナイスすぎます。天田君は……なんでいたんだろうなあ。特に荒垣とのイベントの後の天田君は何のためにいたんだろう。もう一花なにか欲しかったです。荒垣先輩は最初からなんとなくキャラ付けが分かっていましたが、斧をつかう味方をもう一人設定しておいて欲しかったです。犬はしらん。

その他の登場人物とコミュ

どうしても気になるのは、ストレガのジン。なんか彼だけキャラデザが異様に”雑”じゃないですか? こう、顔立ちとか、輪郭とか、そのあたりが、なんか他のキャラクターから一人だけ浮いていて、あと一歩でモブみたいな感じだと顔を見る度に思ってました。性格付けも無茶苦茶三下だし。
結子は性的な意味で魅力的でしたが、とっかかりとしては会計の子の方が入り込み安いところありました。コミュは、もっとお互い関連があるとなお良かったなあ。特に生徒会とか、文化部とか運動部で共通イベントがあんまりなかったのが寂しかったです。
幾月さんとか、会長とゆかりの父親の10年前の話が急に背景になっちゃったのが、後半残念なところでした。主人公の両親の話とかと絡めれば、主人公が絡むエピソードになったような気がするんだけど。

総じて面白かったけど、不満点は多く残るゲームでありました。
というか、刈り取るモノなんて勝てないよ!