AKB0048全話感想「何も考えずに走れ!」

  • 総括

昨年度後半おいおいマジかよ大誤算やんか、とアクエリオンEVOLにはまっていた私の耳に届いたのは「おんなじ組みで引き続きAKBのアニメをやるって」という話であって、まあその時点で結構期待したいたのえすが、今年の春、なんかえらい勢いでアクエリオンEVOLが盛り下がり始めた頃、「きっとだめだろうな」という期待の低さが幸いしてか鮮烈な一話目の完成度で大きな期待を抱いたのが私にとっての「AKB0048」でした。

というわけで、毎回欠かさず見てきた「AKB0048」も終わり、ああよかった大きく破綻しないで終わった、と安堵しているところであります。たぶん、予定どおりの終わり方なのでしょうが、なんか「ドラゴンクエスト伝説 アベルの冒険」の第一部終了を見るような気分になるのはなぜなのか。まあ、周辺グッズの売り上げがよければ、きっと第二期ができると思うので皆さんで見てください。

ランカスターという非常にイギリス風の名前のついた、空気のとても悪そうな芸能活動が制限された鉱山工業惑星の住人の主人公たち(当局の娘さんと下町の和風料理屋の娘さんと工場で働く孤児の娘さんと静養に来ていた富豪の娘さん)が、宇宙のかなたからやってきたアイドルグループとの出会いで世界の広さをしり、自分たちも広い宇宙に出て行きたいと旅立つ第一話の展開は「トップを狙え!2」と「アイドルマスター」と「マクロス」を足して割ったような感じでとても良いSFでした。

その後、物語は戦場でアパムアパムする特訓をしたり、隅田川松本零士デザインの遊覧船をみたり、握手会でキモオタにからまれたり、ロシアにいったら対空戦車に狙われたり、鮮血が宇宙空間で玉になって人型戦闘ロボットのコクピットに浮いたり、青が偽乳を作ったり緑が頭突きをしたり、ライバルだと思っていた相手が卑屈な態度をとるのにショックをうけたり、故郷に帰ったら好意を抱いていた幼馴染がレジスタンスになっていたり、自分がアイドルになろうと思ったばかりに父親が投獄され母親が頑張って作っていた庭が荒廃したり、という展開を経て結局話は終わったわけで。

アクエリオンEVOLほど悪くはなかったけど、結局毎週見るほどではないわなあ、という微妙なところで終わったわけでした。ガチホモアニメのEVOLとガチユリアニメの00を続けて書いた岡田マリーに拍手。全体的にCGと声優人をもうちょっとなんとかして、キャラを半分ぐらいでやればもっと良かったと思います。名前のある毎回出てくる登場人物だけで20人近いってなんやねん。

  • 主人公:赤い春香

「アッカリーン」的な外見だったが、わりとちゃんと主人公していたがやはり実質的な主役ではなかった。安定していることが主人公の証だとしたら、確かに主人公的だった。友達が大勢いるノノ。自分の夢のためだけで動くと周囲が不幸になるんだということをアニメで実践した非常に珍しいキャラ。

  • ライバル:青い千早

2話目ぐらいでは主人公のライバルがこれでどうなるのかと思ったが、中盤以降の上達が著しい。一瞬存在理由がなくなったものの、終盤の復活ぶりがすばらしい。ちゃんと負けなさいの場面はすごくいいので最終的にはライバルキャラの地位に戻った気がする。

  • 黄色い伊織

和風料理屋の娘。割とどうでもいいサブストーリーの主役。安定した演技力だったので今後も声優稼業ができる気がする。

  • ピンク

本当にどうでもいいピンク。両親を失って工場で戦闘ロボットをつくって働く姿はSF的にはおいしいが、これは世界名作劇場ではないんだった。

唯一名前を覚えている実質的な主人公にして主人公チームのリーダー。アクエリオンEVOLでいうと、アンディとシュレードとゼシカを足した存在。初登場時はあまりの棒さと途中参加というハンデに、このキャラクターはこの後背景化するのではないかと思ったが、すごい勢いでよくなったのがすごい。

彼方の妹。声質に合った役がすごくよかった。たぶん、このキャラ以外だと合わない声。全員にスポットライトをあてる必要があったために、あまり活躍の場がなかった。残念。

  • その他

ガチゆりの緑とか、地味で庶民な青とか、淫乱なほうのピンクとかがいた。キャラクタが多すぎるんや。

シリーズの影の主役。歌がうまい。立てた死亡フラグの数や、立ち位置的にオズマ隊長の女版である。

シリーズの影の主役2。00の厳しさと実力主義を象徴するモヒカン女子。「歌のためなら死んでもいい」というシェリル=ノーム根性の持ち主。


全体通じていいアニメだったと思うよ。後半残念だったEVOLと比べるととくに。