ヒーローとはなにか

ヒーローの本質は『戦い忘れた人のために戦う人』である、と私は考える。


ヒーロードラマに必要なものは二つ。
一つは、一人の人間としての生活とヒーロー生活の両立をどう描くか、であり、
もう一つは、なぜ赤の他人のために自分の命をかけて戦うのか。である。


スパイダーマンは非常にプリミティブな存在だし、ダークナイト版のバットマンは、そのあまりに自己犠牲的な姿勢が見ていて逆に辛く、
それだけに戦わなければならない敵として、ジョーカーという好敵手を得た「ダークナイト」は非常に面白かった。


普通、人間は他人のために自分の人生をかけて戦わない。

他人の笑顔を護るために戦う、自分の内面からの声によって、半ば以上無茶なそれを常態としてするひとこそが、ヒーローなのである。

「私、堪忍袋の緒が切れました!」

ハートキャッチプリキュアは、すごい力業でヒーローではない女子をヒーローたらしめていた。
それは、主人公の女子、キュアブロッサムを、つねに『赤の他人』の代理人としたところである。

『ハートキャッチ』の名前は伊達ではなく、主人公たちがまったくの赤の他人の代弁者として、
死を賭けて敵と戦う、というのはすばらい設定の妙だった。
敵が言う、すごい正論を木っ端微塵に挫いて、『そんなことはありません!』とブロッサムが叫ぶときから、
彼女たちは、もうその人の心を受け継いだ、魂の代理人なのです。


そういう意味で、スマイルプリキュアはものすごく惜しいんだよ。
けいおん!」的な個性の異なる5人の日常はすごく面白いんだけど、彼女たちが人生をかけて戦う理由が見えないんだよ。
たのむから、後半なんとかしてください。よろしくお願いします。