読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ラブライブ!サンシャイン1話感想「お姫様になれない女の子は魔女になるしかない」

ラブライブ!サンシャイン」始まりました。

いろいろと思いを巡らすことができる一話目でした。

 

ラブライブ1、2期は作品テーマがぐるぐると変わっていく話でした。

「学校廃校になっちゃう、どうしよう!」

といって集まってきたメンバーは、変な子たちでした。

ふつう、「学校が廃校になる」ことに抵抗する子たちというのは、「学校が好きで好きで仕方なくて、学校生活が充実している子たち」だと思うのですが、ラブライブ!で集まってきたのはどいつもこいつも「学校生活が充実していない」子たちでした。

であるので、当然のことながら、「廃校」テーマはメンバーが集まったそのころに遠ざかっていきます。次にやってきたのは「わたしたちは何者なのか」というテーマでした。こうして集まった私たちは何者なのか、移り変わっていく私たちはどうあるべきなのか。というのが二つ目のテーマでした。

で、それに答えを出した後に劇場版で提示されたのは「スクールアイドルとは何者なのか」ということでした。ただ、これは劇場版が盛りだくさんなために、十分に語られていませんでした。

 

そこで、「ラブライブ!サンシャイン」です。

これは最初から「スクールアイドルとは何者なのか」ということで始まるお話です。

 

千歌はいいます。「私は凡人だから」

常に誰かの活躍を、遠く離れたところから見ている側の人間。

自分には何も才能がなく、何かに夢中になることもなく、きっとこのまま何者にもなれないのだろう、そう思っていた。

 

その話をききながら、連想したのは二つのことでした。

ひとつはアニメ版「アイドルマスター シンデレラガールズ」のことです。

 

アニメ「デレマス」で卯月はいいます。

「自分には何の取り柄もない、何も特別な才能がない。私には何にもない」

 

しかし、卯月と千歌の「自分には何もない」は全く違います。

それは卯月の「自分には何もない」は、「自分には何か特別な才能があるはずである」という自意識が言わせているからです。千歌は知っているのです。本当に「自分には特に何もない」ということを。それに対して卯月は自分には先に候補生を辞めていった子たちとは違う何かがあるに違いない、と信じている。

 

おもえばアニメ「デレマス」もアニメ版「アイドルマスター」の後を継いだ二代目でした。そして、そのエピソードを振り返ると、それは「自分のエゴ収めるのに足りる硝子の靴を探す女の子」のお話しでした。

 

卯月もそうですけども、評判の悪い未央の「こんなはずじゃなかった」という騒ぎも、「自分が履くべき硝子の靴はこんなものであるはずではない」という確信が言わせています。

 

自分のことを「お姫様」と考えていて、「誰か自分を見つけてくれる魔法使いか王子様がやってくる」と信じている女の子と、その「魔法使い」あるいは「王子様」として存在する「プロデューサー」のお話し。

それが「アイドルマスター」であります。

 

それに対して「ラブライブ!」の子たちは自分を「お姫さま」には仮託していません。

だれかがやってこなくても、自分でお城に丸太をもっていって、王族一党を殴り倒す側のキャラクターたちです。

 

むしろ、自分のためには誰もやってこない。そう確信しているからこそ、彼女たちは「スクールアイドル」となったのです。

 そこに「スクールアイドルとは何か」という問いの答えか、そのヒントがあると思います。

 

さて、連想したもう一つは「けいおん!」です。

それまで何も熱中することのなく、自分になにか才能があると考えていなかった女の子が、その「何か」を見つけるお話しです。

 

では、そこで思うことですが、「なんでHTTは武道館ライブができなかったのか」です。

そら作風の問題だ、とは思うのですが、より具体的な問題として「方法がなかった」ということがあると思うわけです。

 

けいおん!」には彼女たちが、武道館にたどり着く余地がまだありましたが、それは実現されることはありませんでした。

普通の女子高校生が、武道館でライブをするためには、何らかの飛躍がいります。

そのうちの一つは、女子高生の音楽グループが何らかの方法で武道館に立てるシステムが存在すること。もう一つは、誰か外部の人間、例えば音楽プロダクションのプロデューサーが彼女たちを武道館まで連れていくこと。

 

この、後者のメソッドをとったのがアニメ版「アイドルマスター シンデレラガールズ」であり、前者のシステムが存在する世界のお話しが「ラブライブ!サンシャイン」です。

 

このような仕組み、ごく普通の女の子たちが何かのきっかけで光り輝くステージに立って、「何者か」になれる仕組みが存在する世界。「特別になれる仕組みがある世界」

と思うと、まあ「響け!ユーフォニアム」とかも思い起こされるのですが、そういう「闘っていけば、魔法使いや王子様がいなくても、お城にたどり着ける世界」です。

 

ラブライブ二期!」→「デレマス!」と来まして、「お姫様」たちのお話は終わりましたが、これから、また「魔女」たちの話がはじまるのです。