クローバーフィールド

久しぶりに映画を観た。85分。最初のうちは眠くなったが、中盤以降は一気に見れた。とはいえ、偶然またTVでやってたら見てもいいけど、DVDを借りて見ようとまでは思わない類のB級パニック映画なので強くお勧めできる映画ではない。僕は大都市パニックものが好きなのでその分さっぴいてください。
アメリカ人は、そんなに食われたり、バイオハザードするのが恐ろしいのかなあ。というのが最初の感想。なんで巨大怪獣がわざわざ人間を食わないといけないのか。そんなエネルギー効率がわるいことをして何の得があるのか。それこそ鯨でも追っかけたほうがよっぽど効率的なんじゃないのか。B級のくせに、エンドロールがやけに長ったらしかったのが嫌だった。余韻がない映画で最後を引っ張られてもなあ、というものかもしれない。

映画中でなんか印象に残っているのは「アメリカの携帯電話というのは、こんな状況下でも輻輳を起こさないのか」ということだった。電池がない以外の理由では、地下鉄駅だろうと地上38階からだろうと毎回ちゃんと繋がってたのがすごい愕きです。安否確認電話があっさり繋がってたし。あれは映画の都合上なのか、それとも本当にそんだけしっかりしたインフラがあるのか。……脚本家が電話が輻輳するって知らないわけじゃないよなあ、たぶん。

最初のシーンに媒体が「SDカード」と字幕が書いてあったから、SDカード式のカメラだと思うんだけど、それでも巻き戻して上書きすると、映像がこんなにまだらになるものなのか。SDカード、というのは読み間違えで、本当にテープなのか。

以下ネタバレ部分は反転。


わりとハッキリと「アレ」の全体を映像に映してしまったのは失敗だと思う。あと、子どもがわらわらいるのも、なんか興ざめ。おそらく「大都市にナゾのモンスターが出現して、理不尽に人間の生活を壊していく」というのはゴジラにインスパイアされたものだと思うんだけど、肝心のモンスターに迫力がないのが致命的。ビルの陰とかからチラチラっと、姿の一部が見えていた時のほうが迫力があった。
人間の目で見たハリウッドゴジラ。どこまでもハリウッド版ゴジラ子どもが増えて人間襲ったり、その不格好なフォルムを含めてハリウッド版ゴジラカメラを回してる奴が本当にパニック映画にありがちな3〜4番目に獲物にされるタイプの嫌な野郎だったのが良かった。

娘が、さっきまで死にかけだったのにやけに元気だな、とか、そういったことを思ってはいけないんだろう。パニック映画の文法に、嫌というくらいに従って作られた映画だった。それにしても、バケモノに神々しさというか、そういう属性を与えられないのか、ハリウッドの連中は。あれじゃ、バイオハザードのモンスター以下だぞ。