トラペジウム〜天の光は全て星〜
トラペジウムの映画を2度観てパンフレットを読み、小説も読んだ状態での感想です。ネタバレを含みます。
「トラペジウム」
trapezium
名
- 〈米〉《幾何》平行な辺のない(凸)四角形◆可算◆「不等辺四角形・不等辺四辺形」と訳されることがあるが、それは混乱の原因になる。台形は一般に“不等辺”だが、アメリカ英語のtrapeziumは台形を含まない(台形の特別な場合である平行四辺形なども、除外される)。逆に、等しい長さの辺があっても、どの2辺も平行でなければtrapeziumと呼ばれる。アメリカ英語・イギリス英語での意味の違いもあるため、その文脈における定義を確認する必要がある。◆【同】〈英〉trapezoid
- 〈英〉《幾何》台形
- 《解剖》大菱形骨◆【同】trapezium bone
かがやきの向こう側へ
「トラペジウム」は、東ゆうの「初めてアイドルを見た時思ったの、人間って光るんだって」に全て詰まってる気がします。
東ゆうは幼少期に孤独の中で(OP数カットで表現されているが、原作小説だと海外にいた時期なので脚色された部分なんだと思う)、アイドルの輝きに救われました。そして「悲しんでいる人に希望を与えられるような光輝く人になりたい」という願いを得ました。
しかし、その願いとそれを現実にするための道のりとして「職業としてのアイドルになる」の間にはかなりの落差があるし、前者の願いを叶えるためには必ずしもアイドルになる必要はない。その事には東ゆう自身も後半の所で言語化できないにしても気づいている。
このあたり、アイドルになった後の東ゆうの反応の鈍さにつながっている。職業アイドルとしての自分は、思い描いていた「輝いている人」ではなかった。
最初はアイドルになるまでの活動は自分で計画して進めることができたのに、何もかもが大人たちの掌の上で勝手に進んでいくことへの違和感。テレビにでることはできたが、思っていたような仕事がこない。いざ念願のアイドルに向けての活動が始まった、と思ってみると、自分へのファンレターは少なく、注目は他の三人に集まり、ストレス、他の三人との意識の違い。
東ゆうは追い詰められていく。
まあ、意識が違うのは(一度も意識合わせしてないので)当たり前なんだけどな。
方向性の違い
東ちゃん、南さん、くるみ、亀井さんの四人は、象徴的なキャラクターです。
「十年後の自分」の場面でそれぞれが着ていた衣装の通り。
- 東ちゃんは人間の野心。自分の目的を計画して実行したい気持ち、いってみれば「仕事をしたい人格」。
- 南さんは好奇心。新しいことに取り組むのが好きな心、「冒険をしたい人格」。
- くるみは探究心。自分の知っていることを突き詰めたい気持ち、「趣味に打ち込みたい気持ち」。
- 亀井さんは愛。人を愛し、人に愛されたい気持ち、「友人であり、家庭人としての気持ち」。
四人はそれぞれアイドルに向いている心持ちもありますが、何かが違ったら四人でアイドル活動を続ける未来もあったかもしれません。しかし、そうではなかったのです。
四人のうち、くるみと亀井さんは最初からやりたいことがあり、そのために人生を送っています。くるみは自分のしたいことのために学校に通い、亀井さんはNPO団体の活動を続けたいと思っています。反面、南さんは割とぽやぽやしていますが、何もかも新しいことに出会うのが楽しそうです。南さんには強い南説と弱い南説があります。
強い南さん仮説というのは、南さんが強い無敵超人である。という前提にたった説です。これは初見のときに強く感じた説です。
華鳥さんはわりと初期に東さんの計画を見透かしていて、ずっと全体を見通している説です。たとえば南さんが「四人が東西南北から偶然集まった」という話をするのは常に東ちゃんがいる時です。
この場合、南さんは完全にアイドル活動を楽しんでいて、ずっとアイドル活動を続けていきたいと思っているのですが、みんなが限界なのをみて引導を渡しにいくわけです。
その目的にために、限界に近いくるみにたいして「私たちは偶然東西南北から集まった」という話をするのは、くるみもなぜ四人集まっているのかわかっているうえで言ってるという。。。悪い人ですね。でも、南さんはわりと「自分は頑張るけど、あなたはあなたで全力を尽くしなさい」という性格の人なので。。。
弱い南さん説は、ほぼ本編どおりの描写の南さんです。まあ、正味、すくなくとも登山のときに「私たち東西南北だわ」っていったときは、すごい作意のないセリフをいっているので、本当にわかってなかったんだと思いますね。その後も状況に流されていっていた、という解釈です。
おしまいの日
いずれにしても、南さんは一人、この東西南北が限界を迎えていることを気付きます。
このとき、他の三人は限界を迎えていたのですが、どうすることもできなかったし、ここで否定しないとダメだ。と四人をみてきた南さんは止めるわけです。
ぶっちゃけ、南さん自身にも「あんだけくるみの泣き言を聞いていたのに、自分はアイドル活動を割と楽しんでいた」という負い目はあります。
しかし、この段階でも、南さんは東ちゃんを別に憎んでいたり、罰してやろうという気持ちはないようです。ここの会話は話展開として東に引導を渡す役割なので、強い人のように見えるのですが、この時点でも語尾は優しい。
ここで東ちゃんは一世一代の演説に出ます。なお、亀井ちゃんは聞いてない模様。
(小説版だと、南さんが「アイドルって楽しくないわ」って言った時に亀井ちゃんも頷いているのですが、小説版と映画の違いとして「彼氏がいるんだったら友達にならなきゃよかった(アニオリ)」があるので、亀井ちゃんの心の傷が映画の方が深いのです)
「綺麗な服を着て、綺麗な髪型をして、スタジオでいっぱい光を浴びて」
こうして積み重ねられる「アイドル」の描写に、ひとつも「その人が光っている」という表現はありません。これは「周りから光らされているアイドル」の姿です。まあ、実際、作中で東ちゃんが感じていたアイドル稼業は「そう」なのでしょう。
「それは、東さんがアイドルを好きだからよ」
「そんなことない、慣れていけばきっと楽しくなってく。だって、アイドルって大勢の人たちを笑顔にできるんだよ、こんな素敵な職業ないよ」
こちらは、前半は「その職業アイドルと理想のアイドルを埋める方法」として「このまま歯を食いしばって耐えていれば、きっと理想の自分になれる」っていうことを表しています。そして後半は東ちゃんの理想のアイドル像を語っています。
観客的には、東ちゃんが雑極まりない計画を立て、テネリタスキックをかまし、ロボコンには熱中し(小説版だとボランティア活動でも英語を教えたりと割と精を出し)ここまでやってこれたのは、南さんのおかげだとわかっています。四人のリーダーが東ゆうだとして、四人を結んできたのは南さんなのです。だから、南さんが「ここがゴールだ、ここから先へはいけない」と言ったら、もうこのグループはその先へ行けない、とわかっています。
しかし、東ちゃんはこの段まで止まっていません。なぜなら「不本意なことでも耐えていれば、いつか理想のアイドル像にたどり着ける」という希望に縋っているからです。
その東ちゃんを止めたのは、亀井さんでした。
亀井さんは正直、この時点でかなり自暴自棄になっていたんでしょう。愛し、愛されたいとう欲望の人がSNSで否定され、自分のヒーロー東ちゃんにも否定されたらもう立つ瀬がないです。すくなくとも、東ちゃんと一緒にいられるから、アイドル活動を続けているだけだったのでしょう。亀井ちゃんは自分のヒーローと一緒にいられるから、あの場を選んでいたのです。
「近くの人を笑顔にできない人が」
「はあ?」
この時点の東ちゃんの柄の悪さはすごくいいです。亀井美嘉は東ちゃんにとっては格下だと思っていた相手なのでしょう。その亀井美嘉にアイドル人気で負けていたことがかなり東ちゃんの精神を削っていたのは間違いないですが。
「いまの東ちゃんは、変だよ、怖いよ」
一転して、亀井美嘉が泣き崩れてからの東ちゃんは仮面が破れたかのように動揺しています。東にしても、実際、自分がおかしいのは自覚していたと思います。それでも、南さんのようにアイドルを否定されては牙を剥かざるを得なかった。
でも自分のために、泣いている人がいる。なんでなんだろう。ということに、東ちゃんは思想がストップしたんだと思います。この時点の東ちゃんは南さんの心配りとか、亀井さんの心境はまるでわかっていません。
この時点で東ちゃんがわかったのは「もう誰も自分の味方じゃない」「否定されているのはアイドルじゃなくて、今の自分自身」ということです。東ちゃんは「光る人」「かっこいい人」になりたかった、というのが本心のところなのです。そのためにはなんでもできるのです、それの道のりだと思っていたから、なんでもやってきたわけです。
でも、自分はいま光っていないし、カッコよくもない。
だから東ちゃんは走って逃げました。何が何だかわからないからです。
(たぶん、このあと南さんが亀井さんをつれて「辞めさせていただきます」と言いに行ったんだろうと思うと涙ぐましいところであります)
アタシ再生産
こうして、四人の冒険は終わりを告げたわけです。
東ちゃんは落ちていった先で学校にもいけず、リストラにあったサラリーマンよろしく学校にいくフリして公園で1日すごして社長の電話をうけてさらに落ち込みます。
学校に行っても妙な衝突をしてしまいます。
「なんであんなこと言っちゃたんだろ」
それは、直前の学校での言葉なのか、それとも事務所で激昂したことを指すのか。
出口。わたしは。
東ゆうは自分をたどり直します。これまでの道のりを、自分から遠い順から遡っていきます。
「あたし、嫌なやつだよね」「そういうところも、そうでじゃないところもあるよ」
何もない。ではないのです。この母親の励ましの言葉はおかしいようで、そうではない。ゼロではない。何かプラスのところがある、という言葉です。
「東さんは、これから何をするんですか」
母が一番遠い。というのも微妙ですが、この一連の活動のなかで家族がもっとも無関係な相手だったのも確かです。シンジには「合わせる顔がない」ってやつだろう。ただ、あれだけ馬鹿にしていた老人たちから言われたのは「ここが終点ではない」という当然の言葉でした。もう終わりだと思っても、プロジェクトに失敗した程度では人生は続いてしまう。続けていいのだ、という二つ目の肯定の言葉です。
というわけで、亀井さんに会いにいくわけです。この時点で、くるみや蘭子に会いにいく自信がなかったんでしょう。
ぶっちゃけ、亀井さんのことをこの時点まで東ゆうはよくわかってなかったと思うし、別にそれでもいいと思っていたと思うのです。これまで亀井さんについて悩んだのは整形していたこと(小説では3ページぐらい悩みますしノートにもわざわざ書いてます)と、彼氏がいたことぐらいです。
亀井ちゃんはめっちゃ彼氏に電話してるのですが、東ちゃんは関心がないので注意していません。ぜったい皆しっていたのにかかわらず、南さんは「あらーお付き合いしている方がいるなんて知らなかったわー」って言ってたと思います。これも、南さん嘘ばっかり言ってる説です。(くるみも別に亀井に彼氏がいることには驚いておらず、東の反応にだけ引いてるので知っていたんでしょ)
亀井さんと再会したことで、東ゆうは初めて「自分の良かったところ」と再会します。
そこで駅構内で女子高生たちの将来についての会話を聞きます。この子たち、最初の電車にのっていた二人組らしいですね。
古賀さんから電話。古賀さんは他の3人にも電話して連絡してたんだろうなとは思います。古賀さん、わりと(この尺のない映画としては珍しく)東西南北の楽しい頃をともにした同志なのでしょう。
そしてあの丘へ。
トラペジウムは根無草の海賊たちの物語、東ゆうはFGOでいうとコロンブスが一番近いキャラクター造形だ、という人もいますが、この四人が練習していた場所が、彼女たちにとっての「アジト」だったのは間違いないでしょう。
ここまで、他の3人のまとめ役は南さんだと思っていたのですが、ここに3人で集まったのは、亀井さんの誘導でしょう。
3人に謝って、3人から認められて、東ちゃんは自分の再構築を完了します。
(小説だとここで「実はオーディションがあるので受けてみようと思う、とすげえ浅はかにいうんですが、普通に考えると「え?」「それ本気で言ってる?」「反省したんじゃないの?」って言われると思わなくもないので、ここで言わなかったけど、後日言った方がそれっぽいと思います。この後に続くインタビューで、あずまゆうが胸を張って「オーディションを受けたら奇跡的に受かったのが芸歴の始まりです」みたいなことを言うのも、まあそういう経緯があるので他の三人から受け入れられているんだとは思います)
あと「私は歌は苦手なので」と言った南かんがすくっと立って良い声で歌い始めるのは「あれは場を和ませるための発言で実際は歌に自信があったのに東さんに伝わってなかったので、ちゃんとここで分からせておかないと」という意図なのか、本当に歌が苦手だったがこの日のために家で、あるいは3人で練習してきたのか判断に迷います。たぶん前者だと思うのですが、後者もいいですね。
「ほんとのことなんていつも過去にしかない」
すべては過去のことです。
でも時間が経っても本質はわかっていません。
本質は、十年前か八年前か。写真の中に残っています。
短慮で必死で、自分のことしか見えていなくて、夢ばかり大きく見えていて、足元のことも、他人のことも丸でわかっていない。そもそもそんな人のことには関心すらもなかった。
でも、美しく、写真のなかで笑う過去の自分達、それはまぎれもなく「青春時代」だった。青春の蹉跌というのは誰にでもあるものでしょう。
それは夜空の星のように、過去の時間に光ったものが、今の自分たちを照らしている。
結局、四人は光る人になりました。アイドルではなかったかもしれないけども、それぞれなりたい人になることができました。
本当の、東ちゃんの願いを四人がそれぞれ叶えたわけです。
ガンプラ初心者からの2ヶ月。EGガンダムからRGνガンダムまで。
2020年の年末。
外出予定もなく、人と会う予定もない。なぜならコロナ禍だから。
私は不意に思った。そうだ。ガンプラを作ろう。
暇だし。
とりあえずの目標として、ユニコーンガンダムを作ってみたい。私はユニコーンが好きではなかった。ガンダムは、いや、凡ゆる創作物は「新しくなっていく」べしだという古臭い嗜好が自分の中にあった。他人の褌を使って「これが正伝でござい」という面をするガンダムUCという作品は本当に毛嫌いしていた。
しかし、2020年末、私にはユニコーンガンダムを作りたいと思うキッカケがあった。バトスピ のユニコーンガンダムを愛用していたこと。そして、ニジガクにハマっていたことだ。
EGグレード ガンダム
自分はかつてガンプラに挫折したことがあった。30年近く前のことだから、長い断絶だった。元祖SDガンダムやBB戦士を作るのに熱中していた小学生の頃のことだ。SDガンダムを作るのは楽しかった。単純ながら色分けされ、接着剤はいらず、ニッパーできってはめこんでいくだけでガンダムがつくれた。
小学校も高学年になり、あるていど大人ぶってきた私は、ガンプラを試しに買ってみたが、嵌め込めんでシールを塗れば色分けされた完成品ができる元祖SDガンダムと比べて接着剤でくっつけて色塗りしないとあかん、というガンプラはかなりしんどかった。さらに完成品のカッコ良さの面でもなんかピンと来なかった。プラモデルというのは自分の趣味嗜好のリストから外して、30年くらいが経った。
というステータスからガンプラを作ろうということなのだが、何が何だか分からないので、とりあえずEGグレードガンダムを作ろうと思ったのだった。
家にあったニッパーで組んだ。あっさりと1時間もかからず、EGグレードガンダムは完全した。悪くない。なんだいけるじゃないか。
ガンダムMk-II
EGの次、ガンプラを作るなら、とりあえずHGだ、とEGグレードガンダムの説明に書いてあった。これはありがたかった。グレードがたくさんありすぎてよくわからなかったのだ。
しかし、どれが簡単でどれが難しいのかは分からなかった。あと、知っていて、モチベが保てることが必要だった。簡単そうだからと最初のガンプラにデスアーミーとかジム寒冷地仕様とかマグアナックを作るというのはつらい。
ガンダムだ。そしてシンプルなやつ。安い。この条件を満たしている一つが、Mk-IIだった。これを家にあったニッパーだけで作った。1時間半ほどで完成したが、シールがつらかった。一ミリ四方みたいなシールを貼る必要があり、ピンセットの必要性を感じた。
そこで買ったもの。ツールセット。
https://www.biccamera.com/bc/item/3286320/
ニッパーとピンセット、シール貼るやつ、鉄やすりのセット。これでイケるはずだ。あとはそれを試すだけだ。私は次に試すプラモを物色しつつあった。
ダブルエックス
比較的安く、それなりに派手なやつ。ダブルエックスを買った。平成のハッタリが効いたデザイン。そして、結構スリムでカッコいい。
ヤスってみる。そしてシールを貼る。
前のふたつと違って、このプラモはあまりパーツが細かく別れておらず、色を分けたければシールを貼るのだ、と俺に要求していた。
そして気がついた。このキット、どうも色味が足りないのである。箱の絵とできあがったもので、間違い探しのように色がついてない部分がある。。。
買ったもの。マーカー。色は塗りたい。しかし、あまり手間隙はかけたくない。マーカーで書くことにした。とりあえず黒があればいけるんだろう。たぶん。
こうしてガンダムDXは色塗り練習台として、ごちゃごちゃと色が塗り重ねられた。
ユニコーン
だいたい練習はした。たぶん作れるだろう、ということでついに当初の目標だったユニコーンガンダムの作成に取り掛かることになった。が、ここで問題。シンプルなユニコーンガンダム・デストロイモードがアマゾンで売ってないのである。在庫が豊富にあるのはフルアーマーのバージョンだった。
だが、私はもう探し回るのはいやだったので、フルアーマーユニコーンガンダムをぽちった。
このフルアーマーユニコーンガンダム。二つの予想外のことがあった。一つは作るのがやたら面倒くさいことだ。透明パーツの上に白い表面のパーツを被せ続ける作業の連続である。一個の部品をつくるのに常に中身の透明パーツ、表型の白、裏側の白、みたいな形でチマチマと作る工程になるのだが、本当に面倒臭かった。
次が、色塗るとこが余りないことだ。こいつ作中の色味的に、のべっとした状態に透明パーツの部分だけ緑とか赤に見える方がそれっぽく、線を書いたり色を足したりする必要性があまり感じられない。
しかし、長い戦いの末にユニコーンガンダムはできあがった。
サザビー
一つの戦いは終わった。あとは余生を生きようと思いつつ、あの買ったマーカーもったいないなあ。何か買ってきて色塗りたいなあ。という思いだけが残った。
近所のビックカメラで何かないか物色した。
私はビルドダイバーズとシードと00を、ほぼ履修していない。あとORIGINも嫌いだ。それからユニコーンガンダムを作るのは当分勘弁してほしいなあ、と思ったのでバンシイとかフェネクスも候補外だ。
ジム寒冷用地仕様を買うか・・・と思いながら物色したところ、サザビーとニューガンダム、シナンジュのHGUCがあった。毎回ガンダムばかりつくるのもちょっとマンネリだし、シナンジュとサザビーのどっちに思い入れがあるか、と言われればサザビーだ。
ゾルタンはちょっと好きなのでシナンジュ・スタインだったら買ってもよかったが、赤いやつ同士だったらサザビーだろう。
ということでサザビーを買ってきて、前に買ったまま使い所のなかった黄色で下半身のダクト部分をベタベタとぬりたくって、非常に満足した。
RG νガンダム
こうして戦いは今度こそ終わったかなあと思ったものの、再び二月になると「なんの予定もない四連休」が発生することになり、 私は頭を抱えた。
なにかHGよりも時間のかかるモデルを作りに行った方がいいのではないか。ということでグレードの説明などをみて回ると、HGの上としてRGとMGがあるということがわかった。
あー、MGってあのプラモコーナーに馬鹿でかい箱が置いてあるやつか、と思って私はちょっと二の足を踏んだ。しかも1/100と書いてあるから、出来上がりもでかいんだろう。トールギスとかちょっと引かれるけど、でかいのは嫌だ。置き場所に困る。
ということでRGからえらぶことにしたのだが、やっぱり「難しいやつつくるなら、できるだけシンプルなやつがいい」という発想に立ち返った。
Ζガンダムとか可変するやつは面倒くさそうだ。F91はシンプルだがそこまで好きではない。クロスボーン系はよさそうだが、最初に手を出すにはちょっと王道ではない気がする。
ということで、シンプルな本体がファンネルを背負っているだけだろう、とうジャッジからニューガンダムの作成に取り掛かることにした。
細かい。。。RGはHGより数段細かく、面倒くさい代物だった。
HGサザビーだったら、足は下半分と上半分と関節、みたいな感じだが、こいつは下駄部分がつま先と踵に前後に別れた上に黄色い部分が差し込まれ、足裏にはバーニアパーツが差し込まれ、足首の関節部分もよっつか五つのパーツに分割されている。それをチマチマと組み立てると、さらに面倒に分割された足の膨らみ、いわゆる「ダム分」部分にさしかかる。ここは中身と外側の装甲に別れている上に装甲も足だけで十近くに別れていて・・・
いや、いいのだ、これは時間を潰すためにやっているのだ。これが「半分作ったらもう半分作るのは面倒臭い」という感覚か。噂に聞くやつだ。なぜ神は人を左右対称に作ったんか。と思いながら、手と脚と肩と腰を左右対称に作っていく。
しかし、面倒なだけのことはあって、全身ができあがって頭がのった時の達成感はなかなかクセになりそうな感じがした。
こうして全体を作ったあとで、さらに異様に細かいシールをべたべたと貼る作業があり、それをなし終えた時にはさらなる達成感を得ることができた。
しかし、こいつ、安定感がない。
ファンネルが重たいのである。なぜ片側に6枚というバランス構成にしたのか。すなおに左右均等にしておけば、イメージ通りにファンネルをさすと左後ろ側に倒れ込むとか、なんとかバランスとってみても左足に重心が置かれてて危なっかしい、ということがなかっただろう。
次はプラモ置く台とか買うべきなんだろうか。
あと全然関係ないけど、 シャインシルバーのマーカーかってベタベタ塗ったらすごいかっこいいやん。となったので、シャインシルバーのマーカーはマーカーのなかではいいやつだと思いました。
ファイアーエムブレム風花雪月感想
ファイアーエムブレム風花雪月終わった
終わった。青学級→黄学級→DLC→赤学級→教会ルートの順番でプレイして全部終わった。プレイ時間は180時間ぐらいだったと思う。赤と教会のセーブデータが途中まで共通なので、トータルプレイ時間がぱっとでないのだが。
モードはクラシック、難易度はノーマルで遊んだ。ノーマルだから全部遊べたけど、ハードでやってたら途中で挫折したと思う。プレイ時間長い。だいたい15時間を1異聞帯という単位として計算すると、12異聞帯だから、だいたいFGOの1部からはじめて、メインストーリー2部の大西洋異聞帯を終えるぐらいの長さを遊んできたのだと思う。
今年遊んだゲームでは十三機兵が30時間ぐらいなので、十三機兵6つ分の長さである。これは結構長い。長いよ。
プレイ順のおすすめ
この長いゲームについて、1回で満足したいなら「黄色学級」
繰り返しやるんだろうな、と思っていてその1周目にするなら「青学級」
とりあえず美味しいところを摂取したいのなら「赤学級」かと思う。
良かったところ
3学級24人+教会関係者で合わせて30人ちょっと、追加でDLCで+4人のキャラクター間の関係性で構成されているキャラクター別のストーリーが充実している点。
皇帝や王侯貴族、教会関係者と平民や傭兵、学者や商人、そういった個人別のミクロな視点から切り取られた世界観を、プレイヤーが繋ぎあわせることで、フォドラ大陸という異世界をプレイヤーが徐々に把握していくことができ、プレイヤーごとに異なる濃密な異世界体験をすることができる。そもそも、自分がそういう群像劇もの単純に好きなので良かった。
FEも最近は間口の広い作品が続いてきたことで、テンプレキャラによるカジュアルな異世界譚になってきちゃったなあ、みたいなイメージが強かったのだけど、それに反してダークで時に残酷な世界と、テンプレのようで掘っていくと意外にシリアスな側面を見せてくるキャラクターたちの関係性をみっちりと読み解くことができ、手応えのあるゲーム体験だった。
個人的に好きなのは男性だとローレンツ君とリンハルト君、女性陣だとマリアンヌ君とリシテア君ですね。いや、でもヒルダとかコンスタンツェも好きだし、ハンネマン先生とかもジェントルな感じでいいよね。
各キャラクタの趣味といての料理、釣り、書庫、お茶会とサブ要素がいずれも異世界の描写を緻密にしていて、この辺の塩梅もいいんです。プレイ時間がながくてもじっくりと異世界とキャラクターを堪能できる。
残念なところ
プレイ時間が長い。とにかく1プレイが長い。長い割りにストーリーが短い。このアンバランス。プレイ時間的にはあと2割ぐらい短い方が良かったが、ストーリーはあと2割ぐらい長い方が良かった。そしてプレイ時間が長い割りに単調である。
風花雪月は概ね一ヶ月(節)ごとに、毎週の自由行動(拠点の散策、各キャラとの会話)と自由戦闘を繰り返していって、その後イベント戦闘を行って月が終わっていく。この自由戦闘はテンプレ戦闘になっていて、各キャラのレベルアップのために何度もプレイしなけりゃいけない割に、バリエーションに乏しく、かつイベント戦闘のマップが流用されているので、どうしても「この戦闘前もやったなあ」という経験が積み重ねられていく。
まあ、そのテンプレ戦闘をやらないとゲームの「いいところ」である、キャラクター間の会話を進められないので、どうしても戦闘を繰り返し遊ぶことになるんだけども。ソシャゲの周回戦闘みたいに「プレイ時間の大半を同じ戦闘が占めているのに、それが今ひとつ面白くない」というところが、全体としてのプレイ体験を悪いものにしてしまっている。
イベントストーリーは前半3ルートあるし、ルートごとに主に関わるキャラクターが違うので、プレイ体験は結構違うのだけれども、なんだかんだ同じ展開の前半。
そのうえ前半はかなり密度の高い舞台とストーリーが展開するのに、後半はなんかこう、話が飛び飛びなんですよね。間にあるべきイベントがなく、突然始まり突然進んでいく戦争。後半が本当に数エピソードで大陸を股にかけた戦争が終わっていってしまうので、なんか呆気ないのですわ。もう少し溜めが欲しかったよ。あと後半も大枠だと違う話ではあるのだけれども、イベント戦闘が共通してる部分が結構多いので、4周目ぐらいになると「もうザナドに援軍迎えにいくの飽きたよ」みたいになるところはある。
プリキュアミラクルリープ感想
要約
プリキュアミラクルリープ見てきた。正直、春映画は期待値が低いのであまりテンションは高くなかったのだが・・・この先入観は裏切られた。
春映画としては3年に一度くらいの出来栄えの良作だった。プリキュアを見てる人向け、の映画であって、普段見てないけどこの映画だけみろよ!という感じの映画ではない。とくに説明なくキャラが出てくるのでハグ〜スタ〜ヒープリ履修者向け。バトルに力点多し、ストーリーはもう少しな出来栄え。ループものという複雑な構成の話を、新人研修に振ったことでまとまったとも思う。以上要約。
コロナ禍による変更
ファーストインプレッション
初見、ぱっと見で、すこやか市のロケハンがちゃんとしてるのでテンション爆上げ。いや、本当に、リアルな感じの街を入れるの苦手なシリーズなんですが、スタプリ映画の沖縄みたいな感じで、ちゃんと現実の背景になっている。神奈川西部というか静岡東部の田舎感をちゃんと写真とかとって描いてる感じ。映画の最初から、これはちゃんとしてる映画だ、って感じが画面からぐわっと出たのでとても良かったです。
過去キュアとの邂逅
過去プリと再会、のはずが、グレースを知らないというスター。
あれ?スタプリのテレビ最終話で会ってなかったっけ、そうか、あれは29歳のひかるだから、この中学生のひかるはグレースに会ったことないのか……ん?これどういう時系列?μ’sの新PV的な「実はテレビシリーズの1点なんですよ」という話なのかな。ということで飲み込むことにする。
はなパイセンは……なんていうか、その根性!、根性がありますよね。いや、なんかもっとあったでしょ!はなパイセンの良いところ……なんかあったっけ??こう、みていて愉快な気持ちになること以外にも何かあったでしょう?説教とか。。。ああ、説教しないから、はなパイセンがなんか面白女子になってるのか。
ストーリーについて
ループものを72分しかないプリキュアオールスター映画でやる、という挑戦は難しかったと思うのですが、なんとかやりきってました。基本的にゲストキャラをあまりでしゃばらせず、花寺のどか君にフォーカスを絞って、キュアグレースの映画にする手腕。これが良かった。
スタプリの映画の時も思ったけど、沢山映画ゲストキャラやオールスターキャストがでるからって満遍なく登場させると散漫になるので、花寺のどか君がループの主観者として繰り返しミラクルんを助けようと闘い、挫折し、泣き、再び立ち上がるというプリキュア新人研修に絞ったのは正解。
しかし、短い時間の映画で、ループものなのと、プリキュアが一々名乗りを上げるのは相性あんまり良くなかったなあ。さすがに変身バンクは省略されてましたが……
ストーリー上、もう少し見たかった要素
ルールーとハリー、ハグたんのいるハグプリ勢と、ミルキーとコスモ、プルンス、フワのいるスタプリ勢。こいつら自体結構「明日になんて進みたくない、今のままでいたい」という要素が山盛りだよね。本編時系列の途中だとしたら、このあと別離がくるわけだし、パラレルであの頃に戻ってるんだとしたら、なおさらリフレインとやってること同じじゃないですか。
そもそも「同窓会」「学校の時計台」というモチーフとしても「ペルソナQ」「荒垣先輩のいるペルソナ3勢」みたいなもんじゃん。前に進む、もとの世界線が進んで行くのが必ずしも良いことじゃないじゃん。
という気はするのだけど、それやり始めると、72分で終わらないんだよなあ。72分で話として成り立たせるためには、のどかの話でまとめる必要があって、話の長さ的には仕方ないかなあ。90分ある普通のアニメ映画なら出来たと思うんだけど。その辺は残念。
過去シリーズについてもそうだけど、作中の重要な要素としてノスタルジーというのがあるはず。敵ボスとか両親の会話から、そのニュアンスしか薫ってこないんだけど、たぶん本来的にはそうなんだと思う。
バトルについて
あ、はい。戦闘の絵はすごい良かったです。タイムリープ以外は概ねバトルってるので、そこだけですごい見応えはありました。TVだと加減されてるのか、あまり苦戦しないのですが、今回はよくボロボロになる。
映画限定フォームについても、普通、天使みたいなイメージで変身して浄化して終わり、みたいな使われ方が多かったのですが、今回は動いて戦いまくります。まだ戦えるだと?心は確かに折り砕いたはず、鳴り響く不快な歌の仕業か……からのグレース攻勢で歌が始まったのはシンフォギア度が高くてヤバかった。あの歌、悠木碧が歌ってなくて良かった。
まとめ
13機兵終了一週間後メモ
前回に続き、ネタバレがあります。本編クリアしてない方は読まないでください。
自分でプレイしていて、物事が起きた順番とその因果関係がよくわからなかったところをイベント見返しながら解釈しつつ描いたものです(多分間違ってるところがたくさんあるはずです)
よろしくお願いします。
時系列
十郎「今日は時系列をまとめてみよう」
如月「わたしたちが当事者のはずなのに、なんだか何がどういう順序で起きたのか、よくわかんないんだよねえ」
十六年間掛かる理由
ゴート「2188年のことは置いておいて、今回の一連の自体の発端は、二周前の世界が終わった時に始まる」
関ヶ原「前提として、この世界は定期的に初期化されている。ダイモスが全てのセクタを破壊しつくし、すべての人間がセクタ0に戻ったとき、世界は初期化される」
如月「まず、その辺、どうも腑に落ちないんだけど」
冬坂「どうしたの、ウサミちゃん」
如月「世界が初期化されるのは、たぶん、その時間に私たちのクローン自体を作り直すんだと思うんだよ。だから時間が結構かかるんだろうけど」
如月「まあ、クローンをどうやって作ってるのか、私たちの意識がどの状態から出来てるのかは置いて置いて」
鷹宮「(饅頭を頬張りながら)まあ、おたまじゃくしみたいなやつから意識が続いてるのも嫌だしな」
南「(煎餅を頬張りながら)正味、今の体が生成されて、そこからは周回が違っていても体は同じで意識が入れ替わってるだけ、なのかもしれないけどね」
薬師寺「(十郎にお茶を注ぎながら)トミとしては、何が疑問なの?」
如月「あのさ、クローンを同時に育成し始めたんだとしたら、なんでゴート先輩とか、東雲先輩は歳上なワケ?」
東雲「(饅頭を頬張りながら)歳上なりの魅力、みたいなものじゃないかしら」
如月「同時にクローンを作ってるんだったら、全員同じ歳なのではないの?なんで15人の間に年齢差があるの。三浦くんなんて、歳下なんだよ」
ゴート「その点について、仮説がある」
ゴート「基本的にオリジナルの森村女史から縁の遠いものについて、おそらく彼女は信用してなかったんだろうな、森村女史から縁が遠いもの、遠ざけたいものについては、設定上遠くに配置したのだろう」
閑話休題:機兵と現実
如月「あと、機兵のコクピットと、クローンとしての培養ブースは実のところ違うものだと思うんだよね」
東雲「そんなものかしら?」
如月「そもそも、先輩、コクピットでもなんか包帯巻いてましたけど、別にそれ生まれつきついてる包帯じゃないですよね」
東雲「まあ、包帯は生まれつき人間についてこないわね。トミちゃんのメガネだって、最初からあったわけじゃいでしょ」
如月「まあ、なんか騎兵のコクピット=現実、みたいな話もあったけども、最後の方で恵が十郎といちゃついてたときに初対面みたいに会話してたように、騎兵のコクピットで見えている姿は現実の姿じゃなくて、あの世界の一部なんだよね。たぶん」
時系列1:二周前
冬坂「まず、最初の森村、和泉、沖野が地下のUFOを見つけて、時間が来てダイモスが襲来して世界が滅ぶのが最初のループだよね」
十郎「このとき、最初の沖野司はここで終わり、和泉十郎と森村千尋がセクタ0に転移した。この後でわかったんだろうけど、セクタ0に記録されているデータをもとに、次の周回が始まるから、二人は16年生きた状態で世界が始まった時点に出現したんだ」
冬坂「ここで16年戻ってるみたいに見えるから、時間移動できるものだ、って勘違いしちゃってたところあるよね」
ゴート「実際には、橋の上に二人が出現したときに、世界が始まったんだ」
時系列2:一周前
十郎「この後、森村と和泉は十六年間に渡って未来の宇宙計画を調査して、どちらかというとテロ活動的なことをやっていた。その結果として、和泉は囚人番号426として捕らえられている最中にダイモスの襲来を受け、森村は逃げ延びて他のセクタ、おそらくセクタ3へ移動して、井田鉄朗を助けたりしていた」
三浦「このとき、三浦慶太郎は人間の姿でいるな?」
網口「まあ、ちょっと後で話そうと思うんで少し待ってくれ。井田と森村は足のついた戦車でダイモスと闘うが、敗れてしまい、井田はセクタ0に転移して次の周回に行くことになる」
ゴート「この周回で、和泉は適合者がダイモスを呼ぶのだから、適合者を全滅させればダイモスはこないだろう、という前提で井田たちに襲いかかる。井田と和泉一郎の相性が悪いのはこの時に始まる。このとき撃たれたのは薬師寺と冬坂だった。そして和泉は森村に撃たれてしまう。その後の流れからすると、それでも和泉十郎は生きていたのだろう。個別に自分をセクタ0へ転送している」
時系列3:今回の周回での過去
網口「井田はセクタ0から16年前に転移する。そして、二周目のスタート状態の森村と出会う。三周目の最初に森村が「和泉が来てない」と言っているように、森村は二周前の終わり時点の記憶を受け継いでいる」
冬坂「二周前の森村先生は井田を助けて死んだはずなのに、どうして森村先生にUFOの記憶があるのか不思議だって思ったけど、そういうふうに継続してるなら納得はできるかな」
ゴート「これが我々の知る森村先生になるわけだが、井田はそこから8年をかけてドロイドを作る技術を身に着ける。前回の反省を生かした機兵も、この間に作られているということだろう」
鷹宮「でも、なんで世界が終わったのに和泉は戻ってこなかったんだ?」
網口「和泉は二周目が終わった時点の自分をセクタ0に転送させていた。だから16年前に戻っても同じところには出現しなかった」
網口「さて、井田は、二周目の最終戦のときから、三周目の世界に移動するときに、一緒に来たはずの4人が来ていないため、和泉が消したものだと思い込んでいた。その対象が、如月、織部玉緒、おそらく三浦と・・・後一人の誰かだ」
鷹宮「誰かって誰だ」
網口「ちょっとわからない。たぶん、ゴート先輩か東雲先輩だと思う」
ゴート「ともあれ、井田は失った仲間たちをセクタ0にあった壊れたデータから再生しはじめた。こうしてドロイドの如月、玉緒さん、三浦が生まれた」
冬坂「森村先生は、緒方くんに命令者のコードを設定したりしてたわけだよね」
十郎「でも、井田のミスで、和泉十郎はドロイド如月の体を奪って逃走してしまう」
時系列4:今回の周回の前日譚部分
ゴート「さて、こうして、ダイモスの襲来時期が来てしまった。セクタ1は破壊され、森村、井田は私や沖野、今回の和泉十郎、東雲君、関ヶ原君を集めて、機兵で迎撃する作戦を開始した。このとき、機械になっていた前の周回の三浦、如月も機兵に乗せられていた。2060年のセクタ2での話だ」
関ヶ原「しかし、このときすでに井田は『次の周回に行って最初から始める』方に心を奪われていた。機兵計画、イージス作戦ともに失敗させたかったんだ。だから、DD426というコードをばら撒いて、機兵を暴走させた」
冬坂「森村先生にとっては想定してなかった出来事だったから、森村先生は全ての機兵を緊急転移させたけども、あまりに突然だったから飛んで行った先はバラバラになってしまった」
薬師寺「こうしてセクタ3に十郎は飛んできたけど、DD426の後遺症は残っていて、長時間機兵にのって戦える状態ではなかった」
網口「井田はこのとき死んだふりをして、セクタ3、セクタ4に移って暗躍を始めるけども、結局東雲先輩の前に姿を表したりしちゃってるんだよな」
鷹宮「どうも、井田はやはり女にだらしない面があるようだな」
関ヶ原「井田はDD426の後遺症を持つ人間たちに、これは囚人426、要するに和泉十郎のせいなのだ、と刷り込んで利用しようとし、森村は適合者たちの治療を始めるために学校の養護教員として学校に入り込んだ」
ゴート「ここからは当事者の方が多いが、セクタ3の防衛も失敗し、和泉十郎は失われ、薬師寺と如月はセクタ4に転校してもらう形になった。ただ、森村先生のイージス作戦はセクタ3の戦いで発動できることが確認できた」
東雲「DD426の効果をなくすことは結局この段階ではできなかったし、私がそのためのパスワードを思い出すこともできなかったから、森村先生は機兵で闘うことは諦めていたのね」
時系列5:今回の周回の前半
ゴート「ここから先の時系列は複雑だ。比治山と私、東雲君の時間軸はいったん脇へ置くことにする」
比治山「なんで俺の話は聞いてくれんのだ」
ゴート「あまり他の人間と関係してないからだ。セクタ5は、それほど他のセクタと絡んでいないので、気を悪くしないでもらいたい」
十郎「まず、森村先生は僕に和泉十郎の、冬坂さんに森村先生自身の、網口君に井田の記憶をインプリンティングしようとしていた」
ゴート「この頃は、まだ森村先生がなぜ適合者でなくなったのか理解できていなかった。だから自分自身が適合者として闘うために、記憶の移植を試みようとしていたんだと思う」
東雲「でも、優秀なエージェントだった私が、瑛君を2025年で見つけて、颯爽と捉えようとしたところはあるわね」
関ヶ原「だからそこで俺は426とは関係ない、っていう本当のことを言ったまでだ」
如月「そこに、私と緒方が転移してきて、2025年からの脱出になったわけ」
沖野「で、帰ってきた後に、君たちはもう一度2025年に行こうとするのだけど、その話題のあったところで、僕と比治山君が緒方君を捕らえて、命令者のコードを調べようとしたんだ。ところが、この時にはもう命令者のコードはなくなっていた」
南「一方、そのころ、如月ドロイドにはいった和泉十郎はわたしを襲って、命令者を切り替えようとしていたんだよね。途中で玉緒ドロイドへ乗り換えるわけだけど」
鷹宮「どうしてなっちゃんを狙ったんだ?」
ゴート「おそらくだが、消去法ではないかと思う。和泉十郎としては、緒方でなく、森村や井田、沖野の目が届いていない適合者をターゲットにしたかったんだろう。そうなると、対象は南ぐらいしかいない」
東雲「ゴート先輩、私は森村先生の一味、鷹宮さん、瑛くんは井田先生の一味、鞍部、薬師寺、如月、網口は森村先生の目が届いている、比治山さんは沖野君の手下、となると、残っているのは南さんか三浦君、となるのね」
十郎「和泉十郎はダイモスに準備が整った時点で襲来させたかった。だから、自分独自に命令者を管理しておきたかったんだろう」
鷹宮「ところが、そのなっちゃんが、東雲先輩によってセクタ3に置き去りになるイレギュラーが起きた」
十郎「和泉十郎は焦ったんだろうな。だから、黒服のメンバとして行動に自由のある鷹宮さんにくっついて、南さんを探そうとした」
鷹宮「だが、その前にわたしに気づかれて、玉緒ドロイドは破壊されてしまう」
十郎「そこをたまたま通りかかった僕に憑依して、和泉十郎は生きながらえることになる」
薬師寺「和泉十郎はDD426を無効にする「魔法の弾丸」を作っていた。これを適合者に配りたかったんだろうけど、十郎の幻みたいな存在では実行できないから、誰か手を動かす人間が必要だった。それが私だったわけだけど」
時系列6:今回の周回の中盤
網口「ところが、薬師寺ちゃんが適合者に総当たりした結果、俺が機兵を呼び出して、因幡と接触する事件が起きてしまう」
東雲「これは井田先生にとっては誤算でした、このせいで井田先生は自分の機兵にアクセスできなくなってしまったのね」
網口「因幡は2060年の戦いのときに現実世界の軌道衛星に転移したAIになっていたから、まあ、先のこともいろいろ知ってたわけだが、井田の次の周回でどうにかしよう、という案は実現不可能だとわかっていたわけだ」
ゴート「因幡はそれを井田に伝えようとするが、拒絶されてしまう。井田は鷹宮君をさらったり、因幡へのアクセスを閉ざしたりして、この周回での反抗計画を潰そうとしていたが、結局」
東雲「私が撃って、すべてを終わらせたわけね」
関ヶ原「まあ、それでもまだちょっと残っていたわけだが」
三浦「このあたりで、ゴートが千尋を奪って行ったのだったな」
ゴート「人聞きが悪い。。森村先生は最初自分たちの記憶を今回の適合者に植え付けることを計画していたが、結局のところ、自分はユニバーサルコントロールによって作られた幻で、適合者自身ではないということに気づいてしまう。このため、記憶を入れ替えるのは諦め、さらにDD426の解除方法を知っている井田は死に、東雲君もそのパスワードを覚えていない、ということで、機兵で闘うことも諦め、イージス計画に方針を絞ることになったのだが」
ゴート「私としては、あまりに不確実な対応のように思えた。だから、もう一人の、この周回での森村千尋を迎えにいったのだ」
冬坂「でも、その森村千尋により、森村先生は撃たれてしまう」
ゴート「うむ。とても困ったことになったが、イージス作戦の方向性は再び機兵を使った作戦に再設定されることになった」
十郎「ここ、よくわからなかったんだけど、和泉十郎はDD426の解除を恵にやらせていっていたけど、それって森村千尋はいつ、その機兵がちゃんと使える状態になっていることを知ったんだろう」
ゴート「次回への宿題とさせて欲しい」
時系列7:今回の周回の後半
関ヶ原「あとは、俺が乏しい記憶をもとにジタバタしたぐらいだろう。概ね、お前たちの話が終わったあとのことだ」
つづく。
13機兵終了直後メモ
本稿は全体的にネタバレなので注意ください。
ゲームはとても面白かったです。
これ自体がかなりのネタバレなのでよくないです。
よくわからなかったところメモ
ここから、よくわからなかったところをメモっていきます。
作中のトーンに合わせて80年代中盤のトーンで記載します。
十郎「それじゃあ、みんな集まったところで、情報共有会を開始したいと思います。今日の議題は『結局だれが悪者で、何を企んでいたのか』について整理したいと思います」
如月「さんせーい」南「じゃあ、はじめよ!」
ゴート「ちょっと待て、こういうものは、私が議長をするものではないのか?」
網口「いや、ゴート先輩そもそもどちらかというと『企んでる側』の人間じゃないですか」比治山「先日、全員で投票した悪人のリストに入っていたからな」三浦「今日はその『悪人候補』席に座っててください」
関ヶ原「そういうことだ」沖野「そういうことですよ」
ゴート「君らは『悪人候補』席に座ることに違和感がないのか」
大人たちの思惑って何?
十郎「まず、多数決ですが、井田さんは「悪人」でいいですよね」
網口「賛成。異議なし」関ヶ原「奴は悪人だ。俺と同じな」鷹宮「網口に同意するのは癪だが、あいつは悪人に一票」ゴート「ミクロ的には、奴のせいで面倒なことになったのは間違いない」
冬坂「瑛君だれ、井田さんって?」南「私もなんかピンとこないんだけど」(ここで「いや君たち結構迷惑受けてたよ」と網口からフォローが入る)
三浦、比治山、緒方「誰だ、それ?」薬師寺「どこかで顔を合わせたことがあるような・・・」
東雲「先生はいい人よ」如月「うーん、私的にはそこまで悪印象ないんだけど」
十郎「えーと、悪人が4、どちらかといえば悪人が2、悪人ではないが2、わからないが4、ということで井田さんは悪人に決まりました」
ゴート「この多数決で悪人を決めるシステム、絶対に間違っていると私は思う。ちゃんと裁判システムについて学んでから始めた方が良いのではないか」
十郎「ゴート先輩は先日悪人と決まったので、このシステムに口出しはできません」
如月「で、結局、井田は何がしたかったの?」
東雲「井田先生は、私たちを救おうとしていたのよ」
関ヶ原「森村(大)先生のイージス計画は無人の荒野に生き残った適合者だけが生存しようというもので、それは井田からすると到底認め難いものだった。そもそも、井田が取り戻したかった因幡が帰ってくるわけでもないのがイージス計画だったからな」
ゴート「そのため、井田の主目的は当初森村(大)のイージス計画の実行を邪魔することだったが、そのうち目的が暴走して積極的に「このループを終わりにして次のループへ行くこと」になってしまった。つまり機兵による抵抗力をなくして世界の崩壊を促す方向に倒れてしまった。これが大いに井田に我々が迷惑をかけられた主因だと考える」
南「イオリちゃん的には、あの人の呼称は「森村(大)」でいいの?」冬坂「まあ、他に呼ぶの難しいし」
十郎「次の議題です。森村(小)はどうして森村(大)を撃ってしまったのか?」
ゴート「大いに推測が入るが、まず前提として森村(大)の推進していたイージス作戦には根本的な欠陥がある。森村(小)は知っていたが、ユニバーサルコントローラーからセクタ4を切り離しても、我々が自由に生きていくことはできない」
ゴート「森村(大)がいるかぎり、私をはじめとした適合者はイージス作戦に素直にしたがってしまう。そこで若干の軌道修正を掛けたかったのではないか」
冬坂「でも、自分だからって撃っちゃうことないよねえ」
ゴート「そこが頭を抱えるところなんだ」
セクタ0〜セクタ5世界について
十郎「次の議題。どうしてあんなにややこしい世界にしたのか」
網口「そうだよなあ。別にあの世界の端とか作らなくてもよくなかったか?どのみち、本当の世界の端じゃないんだろ」
鷹宮「自分たちが信じている世界じゃない、とわかるには絵的に良かったと思うが、そういうオチなら世界に直径30キロで端がなくてもいいし、セクタ間移動は時間移動でよかったんじゃないか」
比治山「おそらく、沖野が仮想世界の元ネタをVRゲームから持ってきたからだろう。だからあの世界にはVRゲーム的なお約束が多数含まれてしまったのだ」
南「セクタ0〜5までの構成とか、すごく凝っていたから、私たちを一回納得させてそれ以上考えないようにするなため、だったのかなあ」
如月「そのせいで、森村(大)先生とかは、当時把握していた世界観の前提でイージス作戦とか考えていたわけだよね」
東雲先輩について
十郎「では次の議題ですが。『東雲先輩は悪人かどうか』です」
鷹宮「悪人というか、ゴートも含めてだが、なんであの状態の東雲先輩に武器もって街中をウロつかせていたんだ。そんなの問題があるに決まってるだろうが。キチ(ピー)に刃(ピー)・・・なんだ今の」
十郎「1980年代の人間以外には不穏当な発言がありましたので、収録禁止音声としました」鷹宮「あたしがタバコ吸えなかったのもこのせいか」
関ヶ原「しかし、諒子さんはあれで、曖昧でないときは優れたエージェントだったじゃないか。結構銃撃つと当たるし」
如月「曖昧な時が多すぎると思うんだよなあ」
ゴート「一見まともに見える時があるから、却って問題が悪化したところはあると思うのだがね」
十郎「もう一つ、『東雲先輩は、いつ曖昧な状態から復帰したのか』」
東雲「曖昧?」
鷹宮「そうだ、あんた、機兵に乗る前はかなりヨボヨボだったのに、戦いの途中からだいぶまともになってないか?」
ゴート「私にも最初は「戦闘に関係のあることだけ喋ってるんだな」と思っていたが、明らかに機兵に乗る前よりも乗ってからの方がしっかりしているように見える」
東雲「そうかしら?」
三浦「前回の戦いから、機兵の脳へのダメージが改善されたことで、逆に機兵側に蓄積されていた人格データなどが逆流してくるようなことがあったのでは?」
沖野「他のみんなも機兵に乗ってる初期は、明らかに知っていることを知らないかのような発言をしていたのに、だんだんと記憶が追いついてくるように発言内容が変わっていっている。先入観と異なり、実は機兵に乗っている状態は脳にいいのでは?」
如月「ちょっと記憶力に対する効果を実験してみようよ」
緒方「俺はやだぞ、あれ、めちゃくちゃ頭痛くなるし、ダメージの方が大きいと思うぞ」
沖野「少し思ったんだけど、そもそも脳にダメージがあって記憶が剥離する、というのは現実的な問題なんだろうか、それとも仮想現実内の問題なんだろうか」
南「ああー、そもそも記憶剥離自体が仮想現実内の出来事なら、機兵に乗ってるときには関係ないんじゃないか?ってこと?」
ゴート「確かにあり得る話ではあるが、和泉十郎、今の鞍部十郎の場合の説明が付かない。それなら、十郎は機兵に乗った時には和泉の人格に戻るはずだ」
(続く!)