バベル

143分。若干長さを感じたが、面白かった。好みのタイプの映画。役所広司がチョイ役で出演。
ロッコの現地人家族、そこへ観光に来たアメリカ人夫婦、その夫婦のアメリカに残った二人の子どもと家政婦のメキシコ人おばさん、そして日本の聾の女子高生。と4つのエピソードがかすかにつながりながら、それぞれ展開していくという映画。ジャンルは何に当たるんだろう。

「バベル」というタイトルのように、場面によってモロッコの言葉(アラビア語?)と英語とメキシコのスペイン語、日本語のうち、大抵2語以上が入り混じり、聾の女子高生と友達たちは手話を使うので、それも一つの言葉のグループになっていて、それぞれの言語グループの間のコミュニケーションの阻害がたびたび描かれる。ジャッカルと羊飼いの世界から、メキシコの結婚式で鳥を括るのに驚くアメリカの子ども、光り輝く東京の夜景。まさに格差世界。イスラムの礼拝をするモロッコ人ガイドと、メキシコで一面に描かれた十字架、日本の高層マンションで焚かれる線香。だから日本なのかなあ。と思った。