kindle fire HD (2012-16GB)を1年弱使ってみて(11月23日追記)

よかったところ

価格

安価。以下のスペックを備えながら、15,800円という価格はありえない。
ライバルのネクサス7が32GBしか売って無くて、24,800円。iPadminiが同容量で28,800円ですから、五千円から一万円ぐらい安いわけです。

amazon通販ツールとして

ウリは、最強のamazon通販ツール。嘘みたいな躊躇の無さでamazonから漫画を買ってしまうし、読んでしまう。
kobo楽天との連携がどーたら、とありましたが阿呆か、と(本を買うとき楽天を主に利用している全国765万人の方々、申し訳ありません)。amazonを普段から使っていて、本を買うならamazonで買ってるなら、kindleは最適です。アカウントは買った瞬間に同期されてるし(海外アカウントがあると面倒みたいなので、海外アカウント持ってる人はご留意してください)、もうあとは端末からぽちるだけです。

本を買うときの手軽さは良すぎて困るぐらいです。手元に本が残らないので、買っても置き場に困らないし、ワンクリックで買えるのでサクサク漫画の続きを買ってしまう。漫画読み終わると関連する漫画とか、似たような作風の漫画がずらっと表示されるのがすごくずるい(笑)

正直ですな、いい年のおっさんになるとアニメが面白くても「ゆるゆり」とか本屋で買って、本棚に並べるのにハードルがあるんですが、これだとほとんどハードルがないです。ぽちっと買って、おしまい。

電子書籍リーダーとして

容量が大きく、画面も精細しかもカラーですよ。
ペーパーホワイトはカラーじゃないし、HDでないキンドルだと容量が足りないと思います。ちなみに、16GBモデルとかいいながら、ユーザが自由に使える容量は12.6GBぐらいです。

ジョジョとか、ヘルベチカスタンダード(カラー漫画)とかまとめて購入した結果、漫画を読むには kindle fire HD が必要だと思った。ちなみに、ジョジョ大容量版(380ページ)がだいたい80MBぐらい、ゆるゆり(130ページ)が25MB前後なので、ジョジョが100冊だと8GB、漫画150〜400冊でだいたい一杯になる計算です。本棚4段ぶんぐらいでしょうか。
32GBだとこの倍はいるのですが、HDでないキンドルは8GBしかないので、ちょっと漫画本をため込む用途には向きません。

実際、一年程度つかってみて追記しますが、漫画を中心に150冊購入して6.5GB使用、アプリが1GB、その他が1GBで残り4.5GBの状態です。
まだ100冊分ぐらいは保存できるかなあ、と思ってます。

適当にネットみる端末として

無線LANがあれば快適にピクシブとか見れるのでネットを見るのがそれなりに便利。寝床で見るには充分です。
ただ、レスポンスには若干難があります。回線速度というよりは、端末側で描写するのに遅延している感触です。
文字はそれなりに大きくでるので、PCレイアウトで画面を写してもそんなに違和感がないです。逆に携帯電話モードの画面をだすと、ちょっとさびしい。

スピーカーの音質がよく、ブルートゥースとかもあるので、音楽端末に使える。のですが、しばらく使ってみると、やはり音を出す場面は少なかったです。自分は漫画読んでるときにBGMとか必要としない人でした。

Kindleのウェブブラウザ「silk」は気がつかない間にちょこちょことアップデートされておりまして、徐々に使い勝手や挙動の重さは改善されてよくなってきている気がします。が、iPhoneで使う「Safari」の方が明らかに使い勝手も描画の早さも良いと感じます。

イマイチのところ

重量

端末としては重たいです(2012モデルで400グラム弱)。重さだけなら、Wiiuゲームパッドの方が重たいはずなのに、こっちの方が重たく感じるのは持ちづらいからで、手がかりになる部分がないので、本当に板を抱え持つ感じになります。それでも、カバーとかつけると持ちやすくなるんだろうけど、元が重たいので、カバーをつけるのも躊躇います。
寝ながら読んでると眠気が増してくると保持しづらくなってきて、最終的に落とすと言うことが多い。

というわけで、ここは良いところですが、睡眠導入にはすごくいいです。

2013年モデルで大幅に重量は改善されているので、旧モデルつかいとしては一番きになるところです。

品揃えと値段

以下は2012年年末の状態なので、現在とはかなり違います。
この一年で、KindleStoreはかなり充実しました。私は基本的に漫画しか買ってないので、他の本はわかりませんが、一年前は「特定の出版社の特定のシリーズだけ充実してる」感じが強かったのですが、ほとんど紙の本を売っている本屋と遜色のない品揃えになりました。たまに、紙の本が発売されてから、一ヶ月後ぐらいに配信開始、という本がありますが、出版社によってはほとんどおいてない、といった状態はなくなりました。

下に書いた平野耕太石黒正数岡本倫はだいぶ揃いました。ヘルシングドリフターズも、それ町も、ブリュンヒルデエルフェンリートも、銀の匙もあるし、日常も全部あります。まだないのは、よつばと、星のさみだれ大石まさる。エマはまだないです。

値段はだいたい紙の本の20%〜30%オフぐらいが多くなってきました。新刊などは5%オフぐらいだったりしますが、だいたい600円の漫画が420円ぐらいで売ってるイメージです。何が割引率高いのか、といえば、ブックオフではだいたい300円で売ってるぐらいの奴をイメージいただければ、それほど外れてないと思います。

ときおり、1冊目100円セールとか、一冊200円セールをやったりしてますが、基本的には紙の新刊よりは安いが、ブックオフなど古書店で買うよりやや高いと考えて間違いないかと思います。

(以下は2012年末の記載です)
本がまだまだ少ないです。いや、正直かなり充実してる(ジョジョ文庫版が全部あるとか、ゆるゆりが全部あるとか、ランドリオールが全部あるとか、ヨコハマ買い出し紀行が全部あるとか、こうの史代が割と揃ってるとか)んですが、最新刊だけは紙の本しかないとか(ハイスコアガールとか私モテとか)、シリーズの途中までしかない(ぱにぽにとか日常とか)とか、昔のシリーズはあるけど最近の漫画はないとか(まほらばはあるけど、わ・まなびやはない、とか。戦国妖狐はあるけどさみだれはない、とか、百姓貴族はあるけど銀の匙はない、とか、ヨコハマ買い出し紀行はあるけどカブのイサキはない、とか)。ようするに、集英社とエニクス、電撃と角川と一迅社はあって、小学館少年画報社がないのか・・・でも、よつばとが無かったり、乙嫁語りはあるけど、エマがなかったり、平野耕太大石まさる、石黒正教が一冊もなかったり、岡本倫だとノノノノの最初の3冊ぐらいしかなかったり、するんだよなあ、そういうのがよくあります。

また、値段がたいして安くない。まあ、6000円で買ったものが2000円ぐらいで中古屋で買い取ってもらえるゲームと違って、本や漫画はブックオフに売っても二束三文なので、中古屋に売れない、というのは自分はあまり気にしてないんですが、あまり値引きはないです。
いや、安いは安いんですよ。「ジョジョ」が文庫だと500円のところ380円とか、「ゆるゆり」が900円正価のところ600円とか。でも、本を買うときに比較するのって基本的には「ブックオフ」なんで、漫画のコミックスや復刻文庫版だったら300円、大判でも300円から500円ぐらいで売ってて欲しい・・・

操作性(基本)

トップページは最近使った本から順番に、ずらっと横に並ぶのですが、このレイアウトを変更できません。
本や漫画をよむ、という目的からは外れてないんだけど、多目的端末として使おうとすると、ちょっととまどいます。
一応、ショートカットバーも用意されてるんだけども、一操作必要なのでうーむ。

マニュアルがあまり厚くなくて、端末側にヘルプがあるんですけど、ヘルプが探しづらい・・・・です。
まあ、こんなもんなんだ、と割り切るまでは、色々出来そうな記がするんですが、基本的には「ああ、あまりできることは多くないんだ」ということに気が付くと、あとは操作性に困りません。

操作性(入力系)

あとは、画面に表示されるボタンを押したり、リンクをつつくのはともかく、入力器具としては鬼のように操作しづらいです。
入力に対するレスポンスがとにかく重たく、アイフォンになれてると常にイライラする。
画面を「タップ」するのが操作の中心なのですが、この「タップ」自体をなかなか認識してくれないし、文字入力についていうと、フリック入力がすごく実用的でないというか、そんなレベルですらなく、一応アイフォンと同じ入力系を全部付けました、というだけで、すごく文字入力は使いづらいです。
ツイッターとか見れるものの、30文字程度の文章を入力することすら苦になるため、閲覧以外には使う気にならない。

上と関連して、非常に画面および裏面に指紋がつきやすい。なにしろ、ページ送りも戻しも、指で画面(表示領域)を押さえなきゃならない。
ベゼルも非常に広く、そこを親指で押さえることを強いられる為、どうやっても指紋がつく。
それがいやだからカバーをつけようとすると、重たくなる。と悪循環。

もう、指紋がつくのは諦めて、べたべた触って、カバーをつけずに適当に使う端末、とわりきった方がいいです。アイパッドみたいに、きれいなカバーにいれて、美しく飾るものじゃなくて、ひたすら漫画なり本を読むための実用端末だと思った方が良いと思います。

一年使いまして、だいぶ小汚くなってきましたが、画面側は保護シートを張っていたこともあって、実用上はあまり問題ありません。

本を読む、以外の使い勝手

ただ、せっかく画面画大きいのに動画系は見られないのが多いのが漫画と本以外の使い道での残念さです。
youtubeはなんとか映るが、ニコ動はだめ、huluのアプリがでれば一気に使い出が増えるんだけど、なんで使えないのかなあ、huluがあれば使い勝手一気に増えそうなので、残念。

その後、huluとバンダイチャンネルが使えるようになったことで、動画への対応はかなり改善しました。ニコ動アプリもあり、Ustreamもアプリが使えるようになりました。これでどうにか、安価にタブレットでアニメとかドラマとか映画とか見たい人にも薦められるようになったかと思います。

ただし、アプリはやはり、非常に少ないです。
基本的なスカイプとか、ツイッターとか、フェースブックとか、カメラとか乗り換え案内とかはあるんですけど、iTunesストアと比べると基本的なものしかなくバリエーションに乏しい感じです。ゲームもまあズーキーパーとかFF3とか売ってますけど、入力にたいする反応がよくないんで使いづらそう・・・なので、あんまゲームはやってないです。汎用的な端末としては今ひとつです。


ふたたび、定期的に本のセールもしているので、amazon経由で「本を買う」イベントが生活上多数発生して、紙でなくて電子書籍でいいなら、買った方がいいです。Kindleはやはり、基本的に「本を買って読む」「アマゾン通販を気軽に行う」ための端末で、それ以外の用途については「写真を見ることもできる」「動画を見ることもできる」「ウェブ、ツイッターフェースブックも見られる」ぐらいに考えておいた方がよいかと思います。