Scenario Experiments Lain
- 作者: 小中千昭
- 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
- 発売日: 1998/11
- メディア: 単行本
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yoshitoshi ABe lain illustrations
- 作者: 安倍吉俊
- 出版社/メーカー: ワニマガジン社
- 発売日: 2005/09/05
- メディア: 大型本
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なぜ病気の時にこんな本をチョイスしたのかは我ながら謎。
僕にとってエヴァ以降、社会人になる前に見たTVアニメといえば[lain]だが、
読み返すと記憶と全然違っていて、というか話をほぼ忘れていて、新鮮。
むしろ、lainがワイヤードに遍在する、という所だけしか覚えていなかったので、
経過を読んでて面白かった。
ホジソン教授の会は終盤だったと思っていたのに、序盤にとつぜんぽん、と
置いてあるのにも驚いたが、後半デウスとの対決で話数をとられるから、しゃーないのか。
あとは、読み手の側が比較対象を増やした分だけ面白かったのかもしれない。
例えばホジソン教授の元ネタが、チャールズ=ドジソンだ、という下りは、
「黄金の午後」のアドベンチャーゲーム「FOREST」を遊んだ後だと・・・・・・
というより、むしろ「システムを存続させるため接続された子供」というイメージは、
「イノセンス」に近い気がする。
KIDSシステム関係でいえば、オルゴンボックスとか、ライヒとか、
山本弘が好きな用語集にぶちあたったのが面白かった。
ワイヤードに遍在する「れいん」と「イノセンス」における少佐のイメージも、
非常に似通っているよーに思えるし。
英利政美の死に様も、そんな帆場英一ライクなエピソードなんだっけ?
この辺も「lain」世界と「攻殻」をくっつけて考えてしまいそうになる原因かも。
とー、いいますか、7年くらいたったおかげで現実世界の方が劇中の世界に、
近づいているような、遠ざかっているような感じが面白くもありました。
音声認識して動いたり、生体認証で本人確認するパソコンってすでにありますし、
水冷式の冷却装置だって大手メーカーが売るようになってます。
当時と今では家庭パソコン用のネットワーク周りも全然違うというか、
あのころ常時接続って一般的じゃなかったし、本作で中学校で教えてるのが、
C言語とシェルスクリプトだったりするあたりも時代性を感じさせます。
JavaとRubyとか、VBAじゃないのか、今だったら。
あと、当時まさかこんなにNeXTstep(系統のOS)で動く家庭用コンピュータが流行するとは、
思わなかったろーなあ。
97年に始めて買うパソコンにそれを選ぶのは困難だったけど、今なら普通だもんなあ。
最後はネットでPS版lainの解説を読んでみたりして、満足しました。
成層圏まで見えるlain萌え。
まー、それはともあれ。
前半は面白かったなー。シナリオ上でも。
終盤がんばってまとめました、って感じだもんなあ。