ドラゴンクエスト6 幻の大地(全10巻)

ドラゴンクエスト幻の大地 8 (ガンガンコミックス)

ドラゴンクエスト幻の大地 8 (ガンガンコミックス)

面白かったっすわー。なんか、からくりサーカスの終盤よりも、ジュピロ分(藤田和日郎成分。心の底からの勇気と、その前提としてのトラウマになるような恐怖が同居した成分)が補充できた感じ。正統派少年漫画。

勇気と希望を与えることを前提にして、恐怖をまず与えるあたりがジュピロ分。ムドーにびびりまくる主人公とか、テリー編とか、血の川の洞窟編とか。しあわせの国の戦いとか、ダークドレアムとか、デスタムーアとか。とても少年ガンガンにでてくる台詞まわしと思えないこと多数。怖い。

その分、こー、エピソードを片付けるときの爽快感はたいしたもので、特にしあわせの国編は涙ボロボロですよ。
「しあわせ」を求めた人たちは、それを破壊しにきた主人公に石を投げる訳で、そこからの展開は、甘い、かもしれないけれど、見事。MOTHER3でもこんな綺麗な解法をみせて欲しかった。その切れ味が、10冊あって三回くらいしか無かったのが欠点といえば欠点。中盤ではイベントをはしょりまくるし。

あとなんだ。魔法を序盤から派手に描きすぎたせいで、中盤は序盤と差が無く、後半は効果がエスカレーションしちまった辺りは失策かな。「正拳突き」の方がヒャドより威力があるのは、絵柄上本当に嘘くさい。

しかし、ドラクエ6って、こうやって読むと『ややこしい』話だね。表の世界と裏の世界ではなくて、「現実世界」と「夢の世界」な辺りが。それに加えてパーティ内の人間関係までフォローしたら、そりゃややこしくもなるでしょう。カップリングは原作でもなんとなくそんな雰囲気だった覚えがあるんで、あんまり違和感なし。漫画風に再編成するとこうなるでしょう。

元のエピソードは、グラコスが馬鹿に強かったことしか覚えてない上、ドラクエ7でかなり上書きされているんで、正直ストーリーだけでも、結構楽しめました。