UDON

UDON プレミアム・エディション [DVD]

UDON プレミアム・エディション [DVD]


親と喧嘩して家を飛び出して芸人を目指したものの、
挫折した男が故郷で起こした小さな奇跡の物語。
ちなみに、おいらは生粋の蕎麦の人です。関東人なもので。


笑いと涙を期待して見にいったが、案外笑える場面は少なかった。
冒頭の「放蕩息子、家に帰る」シーンは、
「気がつかないフリをしていようぜ」とか相談する辺りが、
寅さん映画っぽくて、ちょっと面白かったけど、
客席が受けてたのは南原清隆が出てきたときくらいか。


逆に泣ける所は泣けました。
一面の麦畑を歩く親父の自転車に着いていった記憶。
で、ぐらっときた上に、「人を笑わせたいのなら」でまたグッと来て、
小学校のシーンで撃沈してました。ボロボロですよ。
あのまま映画が終わったらやばかった。
麦畑も見たこと無ければ、親父も自転車に乗ってたことないのに、
なんでああいうシーンでグッとくるのかなあ。*1


主人公の友人役のトータス松本が意外と好演してた。
八割方「素」だったような気もするが、存在感があって、
簡単に上滑りするユースケ=サンタマリアの演技が、
飛んでいかないようにしていた気がする。
あそこで、あの歌を歌ってしまうのはちょっとどうかと思ったが。
最初は庄助の声で歌ってたのに、途中からトータス松本に戻ってたよーな。
あと、主人公の姉役の鈴木京香と、義兄役の小日向文世は別格。
ずい、と出てくるときの小日向文世が格好いいこと。


風景がまたよく、田舎の風景が好きなのでほれぼれとしました。
ため池と山とユースケの実家という絵が何度も出てくるのですが、
最後の方ではこの場所へ行ってみたいなあ、というか、
香川へ行ってみたい気分がかなり起きました。


映画としての欠点は、同じ監督の「踊る大走査線2」と同じく、
複数のエピソードがそれぞれ少しずつ面白いんだけど、
あんまり絡み合わない上に、後編まで伏線が引っ張られてないので、
映画の真ん中での転換点以降がすごい唐突な気がする。
力業で泣かされたけどさ。
*2


ヒロインが大スクリーンに向かって一言、という、
ラストシーンは「スペーストラベラーズ」かな?
そんなことより、冒頭よりニューヨークが未来になってたのがすげえな、
と、かなりひそかに思った。

*1:クレしん「オトナ帝国」の影響だったら怖い

*2:なんかね、昔佐藤司さんに薦められてやった「Kanon」みたいだったよ。奇跡がテーマなあたり。じゃなくて、前半の後半へ無関係なエピソード乱立ぶりと後半で泣かせる方向への急展開ぶり、あと最後の変なまとめ方が。前半はただのキャラクター紹介パートって思って見ればよかったのかなあ。