イリヤの空、UFOの夏 vol1.第三種接近遭遇

イリヤの空、UFOの夏 1 [DVD]

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あまり評判のよろしくないOVAも見てしまう。あんなに心に傷を負ったのに、手を伸ばしてしまうのは何故だろう。怖いモノ見たさだろうか。

挿絵の通りの絵柄でキャラが動いてるのは良いけど、なんか園原中学の木造校舎とか、夏の雰囲気はもっと出して欲しかった。オープニングがもろにロボアニメ系なのは嫌だな。夏の空とか、もっと叙情的なのが良かった。
内容的には小説での<その1>の「第三種接近遭遇」と「ラブレター」の前半まで。小説を最後まで読んだ後でこの辺のやりとりを見てると、教室で伊里矢に再会したときや、学校の公衆電話の前で新聞部に勧誘するときなど、伊里矢に対してひたすら逃げ腰な浅羽の言動は歯痒い。小説の大部分を占める浅羽の内面描写がほとんど表現されてないからかな。プールにもすごく唐突にやってきたし。
見所は虫入れられた副作用でグラっときた時の浅羽の回想で、「記憶のないことを思い出す」のは怖い。あと、その後の椎名の「へー、君が浅羽くんかー」ってあたりのやりとり、椎名真由美って小説読んでて良く把握できなかったキャラクターだったんだけど、声が入って少し理解できた気がする。良かった。あと、「負けちゃえば良かったのに」っていって泣く伊里矢と、鼻血がちょろって出る場面は映像化されて良かったなーと思った所。
小説からすると全体的に淡泊。

榎本(井上和彦)と椎名(桑島法子)の台詞回しが際だってよい。水前寺はちょっと大人の声すぎるが、全体的に声優陣は豪華。浅羽は浪川大輔、つまりアルフレッド=イズルハで、的確といえば的確な配役。
……言われてみれば確かに、「イリヤ」は「ガンダム 0080」を萌え方向で再構築したような話だな。「0080」にはすごい好きな作品なんで、だからこんなに「イリヤ」にハマったのか。納得。*1

*1:近所のお姉さんは実は秘密決戦兵器のパイロットで、最後の日々へ続くバーニィとアルの河を渡って山河を越える日々があって、コロニーへの核攻撃を防ぐためにたった一人で勝ち目のない戦いに向かう終幕があって、学校で泣くエピローグがあるわけで。