ミナミノミナミノ

ミナミノミナミノ (電撃文庫)

ミナミノミナミノ (電撃文庫)

いやー、最後数頁よんで呆然としたのは久しぶりだ。
おそらく長谷川裕一の「鋼鉄の七人」以来。
てっきり、一冊で完結してると思ったので、なんか終わりそうにないんだけど、どう終わるんだろう、と思ってページをめくっていたら、最後のページに「2巻へつづく」と書いてあったのを見て、あっけにとられました。あれー、これ、続刊ないよなあ……


内容的には実は普通なのですが、作者はミニマムな話をリアリティをつけて書くのがうまいなあ、とか思いつつ。今回田舎が舞台だからか、文体から田中哲弥を連想するせいか、田中哲弥「やみなべの陰謀」に出てきた「好きになった女の子に握手したらゲエゲエ吐かれて、それがトラウマになっている主人公の友人」のことを思い出したり出さなかったり。つまりはそういう話でありました。あとなんだ、うしおととらの守綱。「男って一生の間に何人の女の子の涙を、止めてやることができるんだろう」「お前なら、きっと、望んだ数だけ、な」。