NHKにようこそ! 1〜4
- 作者: 大岩ケンヂ,滝本竜彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/11/25
- メディア: コミック
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これは何かに似ている、なんだ? 何に似ているのか?
その衒学趣味と実験漫画の色合い、暴走する主人公の妄想と変なヒロイン、連載されている現在を時代背景として真っ向から描いていること。
この漫画は「東京大学物語」に似ていると思う。バブルから十年、我々が失って得たものが、「東京大学物語」と「NHKへようこそ」の間に凝縮されている。学歴への信仰はどこかへ消え、多少良い大学を出てもワーキングプアになるしかない。人気者でテニス部の明るく天真爛漫なヒロインは実在せず、そこにいるのは群れからはぐれて孤立した娘たちにすぎない。学校は生活場面の一部ですらなく、人間関係は果てしなく疎で、そして拡散していく。目線をあげて見える大人たち、というのも、もう十年前の大人でなく、枯れていくだけの人々である。ハイテンションな狂躁は、すべてダウナー系の憂鬱とともに消えていく。そんな十年を経て、「東京大学物語」をもう一度作り上げたのが「NHKへようこそ」である。
江川達也はテレビで変なコメントを付けてる間に漫画でも読んだ方がいいと思う。
と、適当なことを言ってみる。