レイトン教授と悪魔の箱
- 出版社/メーカー: レベルファイブ
- 発売日: 2007/11/29
- メディア: Video Game
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クリア。プレイ時間、17時間30分。
前作で、ある程度古典的なナゾは出し切ったかにみえたが、さらに他種類のナゾをDSでやりやすい形で提示してきたのは、すごいぜ、と思った。が、それ以上にすごいのは、前作「不思議な町」でさえ、かなりストーリーがひどかったのに、本作はそれを越えていることだ。もちろん、悪い意味で。
たしかに、このゲームでのストーリー部分の立場は、ナゾに対するスパイスでしかないのだが、それにしてもこの脚本はひどい。本当に、書き上げたあとで読み直したんだろうか。書いた本人以外はノーチェックなんじゃないだろうか。
なんといっても、主要登場人物の扱い方が悪すぎる。引っ張りに引っ張ったあげく、10分くらいしか出番のないアンソニー(大沢たかお)と、ずーっと背景以上の役割がまわってこないカティア(大後寿々花)のキャラクターの扱いの悪さはもちろん、なによりも、前作ヒロインのアロマの扱いがひどい。俺が能登麻美子だったら泣きたくなるくらい悪い。どう悪いかはゲームを見てやってください。
そもそも、何が悪いって、登場人物がストーリー展開のなかで生きる場面がほとんどない。おそらく、作中でもっともキャラクターが生きたのは、大富豪パッポラッチとホテルのドアマンだと思う。他の登場人物は、ただその場にいるだけで、ストーリーに対して何の役割も果たしていない。
フィクションの登場人物というのは、人物設定があって、作中での立場があって、その上で行動があるものだと思うのだけれども、このゲームの登場人物はほとんど立場だけしかない(=何の行動もしない)か、行動しかしない(=行動に何の理由付けもない)かのどちらかだ。
だが、ナゾ「バニッシュ!」が面白いので、まあそんなことは些細な問題なのだ、と思わないではない。要は、このゲームのストーリー部分は、ひたすらナゾを解くという単調な行為に対して、クラシカルな探偵もののふいんきを楽しむ味付けを行うバックグラウンドの一部なのだ。