新・世界の七不思議

新・世界の七不思議 (創元推理文庫)

邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)

「邪馬台国はどこですか？」の作者が、同じ舞台、同じキャラクターを使って書いた、ピラミッド、ストーンヘンジ、ノアの箱舟、ナスカの地上絵など、主に世界の巨大建造物系について、謎を法螺とハッタリで解き明かしていく短編集。
おしまい。

いや、だって他にないんだもの。

「邪馬台国はどこですか？」が面白かったのは、似たような小説が他になかったからで、二匹目のドジョウを狙ったこの短編集はほぼ前作の焼き直しに過ぎず、だいたい歴史解釈が面白かった前回と違って、建造物自体についてのこじつけが主になってしまっているので、面白さでもちょっと劣るような気がする。

地の文章はほとんどあかほりさとるの初期のようにト書き調だった「邪馬台国はどこですか？」より、だいぶうまくなった。でも、まだ描写や間の撮り方がおかしく、三人称小説としては視点の混乱など不自然さがあり、小説として読むのはつらい。

もちろん、「邪馬台国はどこですか？」と同じくハッタリのかまし方はそこそこ面白く、電車にゆられる通勤時間に楽しむことはできるが、それ以外にはお勧めしない。