嵐を呼ぶ、モーレツオトナ帝国の逆襲

前々から面白いと各方面で評判だったのですが、期待を裏切らない面白さでした。
大人たちが去っていってしまう中盤以降はずーっと目を離せませんでした。


懐かしいって、そんなにいいことなの?


まだ、未来を信じることができた二十世紀に戻りたい。
あのころ、二十一世紀は輝かしい未来になるはずだった。
だが、現実の二十一世紀は悪臭に満ちて、そこにはもう未来がない。


悪の秘密結社、イエスタデイ・ワンスモアのたくらみによって、日本は二十世紀に逆戻りしようとしていた。


それを防ぐべく奮闘するのが野原一家。
というか、大人たちはフラフラと再現された二十世紀に引きずり込まれていくので、しんのすけの両親のみさえとひろしも子供帰りしているのです。


意外なことに作中で「大人たち」として扱われる世代のなかには十代とか二十代も含まれるのですが、二十代のおいらもひろしの回想のシーンや、ひろしとイエスタデイ・ワンスモアの首領が向かい合うシーン、そしてラストでぽろぽろと泣けました。



意外なことに、絵的にも最後のタワーを上っていくところとか、懐かしさの象徴になっている夕焼けのシーンとか、かなりキレイです。
キャラクターは、あんなにほにゃほにゃなのに。


もちろん、基本はギャグなんで、クラブのシーンとか、カーチェイスのギャグが笑えました。


映像特典の予告編のシーンがまったく使われてないのが、また。

連想したもの

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (18) (ビッグコミックス)

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内容的にはそのまんま、だなあ。
万博がひとつのキーワードとなっていることが、とくに共通している。
二十世紀を生きた世代と、二十一世紀の子供たちの世代、という世代間の物語であることも、なにげにおんなじ。


妄想代理人(1) [DVD]

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見ていて最初に連想したのは妄想代理人の後編。
オヤジの刑事が吸い込まれていく再現された二十世紀の街角、そこで繰り広げられる日常という妄想シーンが、二十世紀博とよく似ている。