模倣犯

模倣犯 [DVD]

模倣犯 [DVD]


あまり期待しないで借りたが、役者さんたちがよくがんばっていて、意外と面白かった。
以下ひたすらけなしてるように見える部分もあるが、
50点くらいの映画を期待してレンタルしたら65点だったような、そんな感じ。


中居正広中居正広に、藤井隆藤井隆にしか見えないのは、
多分本人のせいではなくて、配役が悪いんだろーと思う。
そのせいで、役名を連呼されても誰が誰だかわからなかったです。
この経験をするのは、ロング・エンゲージメント以来。
とりあえず、山崎務はちゃんと豆腐屋のオヤジに見えた。


中間点で、事件の被害者側の人間である、
爺さん山崎務と若者田口淳之介が出会って喫茶店で並んでいるところは、
非常に宮部みゆき的な光景にみえた。


ただ、構成がいまいち。


殺人事件に踊らされるマスコミと、マスコミ被害を受ける家族を書きたいのか、
マスコミをいいように操る中居正広を動かしたいのか、トリックてんこもりで、
ミステリとして見せたいのか、単にショッキングな設定で話を転がしたいだけなのか、
原作をちゃんと再現しようとしてるのか、何を見せたい映画なのか、まるで分からん。


もし前者なんだったら、もっと冒頭から中居を主軸に話を動かすべきだろうし、
マスコミはあんなに作り物っぽく作るべきではないだろう。
ミステリとして見せたいんだったら、謎っぽい謎をちゃんと出してほしい。
オチとして中居(の役)の幼少時の家族がどーの、という話が転がってきたときには、
何かの冗談かと思った。


いまは21世紀だぞ。松本清張じゃあるまいし。


特典映像の「模倣犯44のなぞ」からすると、
単に日本の映画オタクが映像を作りたいと思って作った映画なんだろーか。
だから、邦画はシーンに意味付けして遊んでる暇があったら、
ちゃんと構成を組んで見て面白い映画を作ってほしい。


TRICKTVシリーズの方が面白い。


全体でみると時間分は楽しめたが、人に薦めたい映画ではない。