2005年の本

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)


今年は恩田陸の年だったな。
実際、六番目の小夜子の他は長編を2つ読んだくらいだったんですけど、年始に読んだ「三月は深き紅の縁を」が面白かったんで、何かに憑かれたように読み続けてました。


「三月は深き紅の縁を」から始まって、不安な童話、光の帝国、ネバーランド、月の裏側、麦の海に沈む果実、ライオンハート、図書館の森、象と耳鳴り、puzzle、劫尽童女。と一年で11冊読んだ。今日「ドミノ」を読んだら12冊。


長編では恩田陸の「結婚式に石の雨を降らせるような」エンディングが楽しめる。
以前はそれが構成上の欠点だと思っていたが、最近慣れてきた。
逆に短編の方はおおむね綺麗にまとまっているので、長編を最後でぶちこわすのは、わざとやってるんじゃないかと思うようになってきた。
「三月は深き紅の縁を」に関しては、最初からオチをつける気がない潔さがよい。


本としての完成度と、読んで泣ける度合いでいうと管浩江「永遠の森 博物館惑星」の方が上だと思うけど、今年一年を代表するってえと恩田陸だと思う。次に多く読んだのは、梶尾真治


逆にいっぱい読んだ割に、はまらなかったのは、神林長平
何冊読んでもおもしろさが分からなかった。