2005年に読んだSF


トリポッド 1 襲来 (ハヤカワ文庫 SF)

トリポッド 1 襲来 (ハヤカワ文庫 SF)


ディアスポラとか、ハイペリオン→エンデュミオンとか、サマー/タイム/トラベラーとか、博物館惑星とか読んだなかで、振り返って一番印象深かったのはこれ。


考えることの自由を失ってしまったら、それはもう死んでいるのと同じなんだ。
誰かに操られて一生を送るのも幸せかもしれないけれど、そんなものには価値はないんだ。
自分の価値観を失った大人にはなるくらいなら、乞食になってのたれ死んだ方がマシだ。


SFの皮をかぶった、強烈すぎるテーマ性を振りまいた少年小説。
後半で、「異星人侵略に立ち向かう人類」の構図になってしまう前の、異星人による洗脳から逃れて命がけの旅をする部分が非常に良かった。


この作品と相反する主張を聞く機会が増してきてるせいかな? 社会人になって。
「オトナ帝国の逆襲」の「オトナになりたいもん」と並んで、今年泣かされた少年の主張。