鋼鉄の少女たち 2〜3

鋼鉄の少女たち (2) (角川コミックス・エース)

鋼鉄の少女たち (2) (角川コミックス・エース)


「伝説の艦長」を書いてた頃って、とんがっていたせいか、
テストプレイのやりすぎて感覚が摩耗していたのか、
「遊んだ後で憂鬱になる」と言われてもピンと来なかったんです。
でも、確かにこの手の話は非常に憂鬱になりますな。


てーか、「角川コミックスエース」って少年漫画のコミックスじゃなかったっけ?
2000年代の流儀で「少年少女の戦争物」をやると、こうなるのは分からんでもないが、
いいのか、こんなに少年少女をまわしちまったり、死傷させちまって。


物語的に、安心できるところがあるぞ、と思うと必ず床が抜けているとゆーか、
ほっとできる登場人物やら人間関係やらが、次から次へと無くなっていく、
ってえのは読んでて不安になるなあ。
ずっと暗いんじゃなくて、間にお気楽後気楽を挟むから、より悲惨に見える。
依って立つところがない不安感が、話を面白くしているような気はするが、
これ、いったいどうやって話を落とすつもりなんだろう。
*1


それにしても、最初はただの一中隊の平凡な兵隊たちの話だったはずなのに、
だんだんと有能だったことにされていくのはなんなんだろう。
「この部隊は王国最精鋭だ」っていうのは「ヤン艦隊は同盟最精鋭だ」*2
という台詞と同意だと思っていたんですが、皮肉じゃなかったのか。


しかし、運命に翻弄される側は書きやすいのだが、翻弄する側は書きにくいのだな。
木貞の旦那は「相手を困らせるのが好きな変な人」なだけで、何がしたいのがわからん。
ただの舞台装置なのか。

*1:むかし、SS所属のレニ=ミルヒシュトラーセ軍曹が、バルジの戦いで激戦を繰り広げたあげく戦死する同人誌があったかなあ。国が滅びる過程での少年少女兵の戦い、というストーリーラインだとすると、そういう展開があった後で、いきなり「戦後XX年」っていって生き残った脇役が古戦場を訪れて終わりとか、そんな感じなんだろーな。

*2:ベテランは全部引っこ抜かれてて、実体は新兵ばっかり