ハイペリオンの没落(下)

ハイペリオンの没落〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

ハイペリオンの没落〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)


面白かった。
ハイペリオン」と「没落」は「面白い」SFを読みたければ、
ぜったい読むべきだ、と思った。


昨年のおいらのベストSFはイーガンの「万物理論」で、
イーガン節ともいうべき、重厚で独特の論理展開がその魅力だった。
そのため、「SF」部分で引っかかってしまうと、本編にノれない。


それに対しハイペリオンに使われている個々の要素は、古典的でさえある。


使い古されたモチーフを、これでもか、とばかりに盛り合わせて、
それを見事にパッチワークさせ、ベタなアクションシーンや、
様式美的な恋愛要素まで入れ、広げた風呂敷を収拾させた。
その語り口と快調に収束していくエピソードが、「没落」の魅力である。


正直「ハイペリオン」の時点ではそんなに面白いと思わなかったんだが、
「没落」収束のさせかたはすごく、よいので、絶賛しておく。


最後、ちょっとハッピーエンディングが長いと思ったけどな。