アフナスの貴石


野尻抱介の長編って、常に二つの中編小説みたいな感じがするのはなぜだ。
「太陽の簒奪者」も「ふわふらの泉」も、「ロケットガール」でさえも。


ミリガン運送の社長ロイドが失踪し、貨物船アルフェッカ号も人手に渡り〜
と、いう状況から、アルフェッカ号の新しい船主になった二人組の登場と、
その後の一段落まで、という部分と、後半の【アフナスの貴石】に関する
エピソードって、全然別の話のような気がするんじゃよ。
これは、サリバン家のお引っ越しの時にもそう思ったけど。


まー、確かに前半でふったキャラクタ設定が後半生きている部分も、
なくはないけど、それにしても。


メイが驚異の家事能力で三人分の荷物をまとめてしまったが、
それによって他の二人は自分では何がどこにあるか分からず迷惑しており、
自分の善意が人に迷惑をかけていることにメイは気づいていない。


っていうのが、なぜか一番記憶に残った。