ムーンライトマイル 1〜13
- 作者: 太田垣康男
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/08/30
- メディア: コミック
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2007年〜2017年。何度かの挫折と成功を繰り返して月へと向かい、そこに恒久的な基地を建造した日本男児の挫折と復活の物語。一言で言うと、ビジネスコミック詩に連載されたバージョンの「プラネテス」というか、サラリーマン金太郎とプラネテスを足して割ったような。たった十年後という近未来であること、エロと下世話な話と中盤以降の米軍の露骨な悪役ぶりが「プラネテス」と異なるところか。
アサメグラフあたりに一枚絵が投稿されてたのを見たのを切っ掛けに、先週一週間かけて読んだが、かなり面白かった。読み返すと、1冊目や2冊目の段階でも面白いと思うが、7〜8冊目あたり、月基地の建造終了後に尻上がりに面白くなったと思う。例えば13冊目の「H-IIAロケットで種子島から人を打ち上げる話」などは、キャッチーな話にふりすぎな部分はあるものの、泥臭いオヤジたちの華麗なる活躍はプロジェクトXそのもので、そういうのが好きな自分は感動できた。
種子島編で出てきたタカ派の大物与党議員が、「かみちゅ」に出てきた総理大臣と同じ顔なのが密かに笑えた。こんなにキャラクターが立ってる実在の人物も珍しい。
時代設定が近い分だけ、連載中に設定が狂った部分(中国の有人飛行とか、イラク戦争とか)はあるけど。まあ仕方ない。作中で時間が10年以上も進んで、その間に登場人物たちがちゃんと年を取り、そして宇宙開発がガンガンと進んでいくのは見ていて楽しい。