いばらの王 1〜6

いばらの王 (6) (ビームコミックス)

いばらの王 (6) (ビームコミックス)

前から気になっていたが、読んでみたら面白かった。
あとがきにも書いてあったが、ハリウッドB級映画のような展開ではあるが、展開とかキャラクターが好みで面白かった。

深夜アニメ向きだと思うんだけどな。アクションあり、女の子あり。暗めの心理描写、グロ描写ありで。

不治の病の治療法を求めて、コールドスリープカプセルに入った日本人の少女「カスミ」。彼女が目覚めたとき、研究施設だったはずの建物は一面”いばら”に覆われ、恐竜のような姿をした謎の生物が闊歩する場所になっていた。
生き残った、他のコールドスリープしていた人間たちと協力して、建物からの脱出を計る一行。だが、病の進行、化け物だちの襲撃だけでなく、彼らは自らの心のなかの妄想とも立ち向かわなければならないのだった。
自分の半身ともいえる、双子の兄弟「シズク」を置いて、一人生き延びた罪の意識にさいなまれる「カスミ」。しかし、同行者たちも同じように、それぞれの秘密を抱えていた。

以下、ネタバレかも。

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夢と現実の混交ものSFでもある。
最近「パプリカ」を見たせいか、このテーマを続けざまに見た気になる。現実を否定したい女の子の夢が現実となり、それを利用しようとする裸の王様が敵、という展開は、どっちかといえば、「女神異聞録ペルソナ」か。「ペルソナ」より、向かい合うべき現実がえげつないのがいい。「アリス」はどっちかってえと、「バロック」の上級天使みたいなエピソードだったけど。