ハチミツとクローバー 4〜10

ハチミツとクローバー (10) (クイーンズコミックス―コーラス)

ハチミツとクローバー (10) (クイーンズコミックス―コーラス)

9冊目かな? を読んでいたときの作中のひと台詞で、ふと、大学の頃好きだった女の子と、大学卒業後二年くらいして飲み会であったときに、店を移動する間にふと二人きりになった瞬間があって、そのときにした「金木犀の香りが好きなんだ」「トイレの芳香剤じゃねえかよ」という会話を思い出した。それからもう、その子の顔も見ていない。


そんな小話を書かせるような。ようするに現在進行形の「失われていく学生時代」に対するノスタルジーの物語だった。2〜3冊目からは、すでに関係性が終わっていく前提で物語が進んでいくのが、切ない。あと、俺も三十越えてからでいいから、山田のような恋人が欲しいです。美脚の。


というか、花本先生のエピソードといい、なんというか、少女漫画における「好きだ」という言葉にはどんだけ免罪符効果があるのか。普通に考えれば、アレがなければその展開は読者から赦されないですよ。

ともあれ、登場人物がみなそれぞれ、絡み合った糸を解いた場所に落ち着いて良かったと思う。漫画家がオタクだったこともあって、微妙なネタが良かった。ローレライシステムって、ガンダムXの話か、と思ったがそのわりには絵柄があってないので、ああ、これは樋口真嗣の映画の話か、と思ったりなんかしちゃったりした。