リーンの翼 1〜3

リーンの翼 3 (角川コミックス・エース 146-3)

リーンの翼 3 (角川コミックス・エース 146-3)

全6話のOVAを、ほぼそのままの形で漫画化。というか、OVAよりも漫画のほうが場面が多く、補足説明が多いので読みやすい。確かにアニメは勢いがあったし、リーンの翼は現在の絵でオーラバトラーを動かす、というところにも意義があったアニメだし、そもそもアニメあっての漫画だっていうのは分かるが、これはかなり良質なコミカライズだと思った。

いや、アニメだと、話が全部サコミズの勢いとアマルガンの濃さに引きずられて、他の部分が見えなかったのだが、漫画だと自分のペースで読めるのと、あとかなり構成上支援されたうえ、細かな表情がついたせいか、まずヒロインであるリュクスが、アニメだと「なんか毎回毎回頑張って『ヒロインやってる』なあ」という感じだったのが、ちゃんとヒロインになっており、次に主人公の鈴木君がちゃんと主人公をやっている。あと後添えさまが美人なのと、終盤の後添えさまの動きがアニメより分かりやすくて善かった。最後の逆エスカフローネ劇場版みたいな終わり方が変わっているか、と思ったら変わっていなかった。こんなのってないよー!。

1冊目のみ、富野監督のインタビューつき。「(リーンの翼を現代でリメイクしよう、といってきた若い人たちは)考えなしに言っているのはわかります」「(しかし現代風にリメイクしたほうが)出資者が出資しやすいだろうな、とは自動的に考えた」とか、相変わらずの調子でよかった。作中のサコミズの表情まわしは富野監督を意識しているとしか思えない。