男たちの大和

男たちの大和 / YAMATO [DVD]

男たちの大和 / YAMATO [DVD]

「そんな事で…… そんなことで、日本国を狂わせたかっ!」
「沖縄で決戦をやっていると知らされていたからだっ!」
「だが、これは軍隊の決戦ではない! 戦争ではないっ!」
 by.迫水真次郎 リーンの翼 第五話「東京湾」より


前半80分くらい見た。これが「かみちゅ!」のコメンタリーで散々話題にのぼった「男たちの九六式二十五粍高角機銃」か。ともあれ、鑑賞中第一に考えたことは「神尾さん」ってどっかで聞いた苗字だよなあ。ということだった。やっぱりこの呉に住んでいた仲代達矢の子どもか孫あたりが紀伊半島の方に移っていって、あの神尾さんちに繋がるのかなあ。やっぱり大和と現代は繋がった時間軸のなかにあるんだなあ。
ということだった。最悪だ。俺って。

旧大和乗組員の回想という触れ込みだったので、もっと美化された思い出の羅列になるのかと思っていたら、予想していた以上に、軍上層部の無責任さとか、軍艦のなかでの理不尽な体罰とか、戦闘機や攻撃機の群れに戦艦の機銃だけで応戦することの無茶さがあって、戦場での仲間のつながりとか、上司部下の間での信頼関係の醸成とかとの、バランスがとれていて善かった。というか、戦艦のその機銃座席がそんなに活躍する時点で負け戦だろう、とは思うが。

なんか、映画見ていて、作中、「白い」部分が真っ白すぎるのがすごく気になった。いや、花魁の襟元とか、もんぺ少女の襟とか、水兵の制服の白い線とかが、真っ白なのが気になる。まあ障子とか、張り紙とかもそうなんですが。水兵のアレは白いものなのかもしれないが、他のモノはもっとなんか、茶色っぽく変色しているほうがそれっぽいんじゃないだろうか。なんか全体的に小綺麗すぎて作り物めいて見える。CGはCGに見えるし。そのあたりは、いつか「硫黄島からの手紙」に追いつく時がくるんだろうか。

まだ過程なので、なんだが。「大和がかっこよく戦う」場面がまったくないのは、映画としてどうなんだろう。まあ実際大和は航空機相手ばっかりで、かっこよく長距離砲撃戦を戦ったことはないのだが、それにしても。こんな地味な話でいいんだろうか。あと「かみちゅ!」で大和の話があったのは、最初の発見がちょうど80年代の半ばで、かみちゅの時代のエピソードだったから、なんだろーか。きっと海底の大和が見つかったのはゆりえ様のおかげなんだろう。「かみちゅ!」的には。