東京国立博物館 特別展「対決−巨匠たちの日本美術」

で、そんな「すばらしきこのせかい」をやりつつ、上野まで出かけていったわけですよ。
上野まで片道一時間、んで、夕方に二時間ほどかけて廻ったのですが、全体的にかなり混んでました。連休の最終日だけあって、カップル率が高かったので、単に混んでいるだけではなくて喋る人が多いのでうるさいし、ものをみるには良いことない状態でした。日が良くなかったなあ。と思います。反省。

あー、政治的に正しい表現をすると、もちろん、カップルでも静かに鑑賞している組の方が多かったんですよ。でも、二人ずれで来てると、やっぱりどうしても、なにか会話をするじゃないですか。それが寄り集まると、結構音がするのです。

時代的には奈良・室町から江戸・近代まで。人物的には、運慶・快慶から、雪舟・雪村があって、狩野永徳長谷川等伯を経て、歌麿写楽がって、大観・鉄斎まで。作品としては、仏像から茶碗、水墨画から屏風絵、襖絵、木彫りの仏像があって、浮世絵から横山大観の近代日本画っぽいところまで。本当に幅広く、バリエーションに富んだ展示がされておりました。一人の作者あたりの展示物が6〜10点ほどで、それぞれの作者の特徴が色濃くでたものを集めてあるため、私のような素人でも特徴が大づかみにできましたが、正直、一気に20人近い作者の作品を見たので途中で(俵屋宗達尾形光琳くらいで)疲れました。混んでいたので途中で休憩しようと思っても、椅子があんまり空いてなくて、順路の途中でうまく休めなかった。この辺は返す返すも日が悪かったと思います。

屏風絵ってえのは、広い所においてないと意味がない芸術なんだなあ、というのが感想でした。好みの問題ですが、屏風絵が一番分かりやすくて良かった。販売コーナーにあった茶碗(20000円〜70000円)と見比べることで、茶碗の善し悪し、がある程度わかったのもめっけものでした。あとはなんだ、その前後の、同時代の屏風とか襖とか見てから浮世絵をみると、やはりこれは「庶民のための芸術」なのだなあ、やはり豪華さがないなあ、と絢爛豪華な芸術品と分かりやすいワビサビに弱い田舎モノなので思いました。

しかし、江戸時代の「丸亀藩主京極家からの依頼で作成した」絵とかを見ていると、一体どうした手順で分野の担当者が発注したりしたのかなあ、ということが気になった。四国から出てきた担当のお侍が、つてを探して名前の売れている画家を探して、発注して品物を受け取って、国に帰るのっていうのは、一つの面白い話だなあ、とか。