彼らが糊を作ったのだと説明したとき

彼らが糊を作ったのだと説明したとき、私は声をあげなかった、
私は糊を舐めたりはしなかったから。


三笠フーズ九州工場の社員が解雇されたとき、私は声をあげなかった、
私は箱根の関の向こうに住んではなかったから。


彼らが老人ホームに米を卸したといったとき、私は声をあげなかった、
私の家族は老人ホームにはいなかったから。


彼らが焼酎や米菓子に使ったといったとき、私は声をあげなかった、
私はビール党で、焼酎党などではなかったから。


そして、彼らが私の食卓を攻撃したとき、
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった。