コンサルタントの「質問力」

コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書)

コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書)

会社帰りに暇だったので購入したが、いまいちだった。齋藤孝の「質問力」を読み返した方が、内容に実がある。一回なら読んでも良いが、読み返すほどの中身は読み取れなかった。

齋藤孝の「質問力」は、「質問力」というそれまでなかった概念を新しく作り出し、それはどういうものなのか、実例を収拾して、それを挙げながら帰納法でまとめていくのだけれど、これはただその「質問力」という言葉にのっかって、自分の見聞きした範囲の事柄を並べているだけだ。たしかに長年経営コンサルタントをやってきた著者の「見聞きした範囲」なので、ためになる部分がないわけではないが、個人の経験と個別の実例を挙げることに必死になってしまっていて、そんなに参考になる普遍性のあることを言っているようには思えない。

せいぜい「仮説を立てること」と「その仮説に拘らずにゼロから発想することが大事」で、難しいんだけど、それはどうにかするしかない、というようなことを述べているところが普遍的な問題提起だろうか。というか、それくらいは誰でも分かっていて、その両立にはどうしたらいいのか、とかそういうことを聞きたいのだが、その部分の言説はない。