歌舞伎座で

銀座の歌舞伎座で歌舞伎を見てきた。人生初めての経験。午前十一時に始まって、2回の休憩を挟んで終わったのが午後四時。五時間も延々と芝居を見ていたことになる。すげえな。昔の人の脚本力と見る側の体力って。

と思ったら、歌舞伎というのは一気に全部見る者ではなくて、一幕づつくらいの勢いでみるものらしい。どうりで体力的にも集中力的にも、無茶なことをいうなあ、と思ったんだった。

そして、非常に陰惨な話(遊女をやっている嫁と夫と、その一味に騙された侍が、自分を騙した一味五人を惨殺し、侍を騙した男は嫁の生首を抱いて死ぬ、とかそんな話)だったのでびっくりした。手は飛ぶし、生首は転がるし、子どもは殺すし、腹は切るし。スクールなんとかどころの話は、二百年前からよくある話だったんだなあ。書かなかっただけで。これは確かに幕府が取り締まろうと思ってもムリはないわ。

登場人物がちょっとやそっと切られてもなかなか死なず、とどめを刺されるまでは生きているのが生々しくてアレだった。

あと、もう一個やっていた上方歌舞伎は、まるで会話が理解できなかった。現代の関西弁というのは、かなり共通語が混じっているので聞き取りやすいんだなあ、と思った。

あと、「よっ、山城屋!」ってかけ声を聞く度に「\PAD長!/」を思い浮かべてしまう。江戸時代からあんまり日本人の感性って変わってないんじゃねえのか。