後書きが非常に面白い。作者は連載を始めたころは、売れず、上達せず、の
どん底の状態だったみたいで、「わざと自分が苦手な爺さんが主人公の、書くのが大変そうな蘊蓄漫画にしてみた」そうだが、書いている間に「夕凪の街、桜の国」が売れてしまい、その後はあれよあれよといううちに、日々が過ぎていったので、そんななか連載していたこの作品が日誌として重要だったというお話が後書きに書いてあり、とても面白かった。
確かに面白い。絵も可愛いし、原作をうまく漫画にアレンジしてるし。でも、アニメには確かに存在する何かが、漫画の「
かみちゅ!」には足りてないような気がする。が、イラストレーションや背景として書かれる
尾道の町並みはちゃんと表現されているし、少年少女の成長は描かれているし、あと何が足りないのかなあ。「
かみちゅ!」にしては起承転結がはっきりしすぎているのがよくないのかなあ。よくわかりません。80年代の空気感とか、音楽とかしか思いつきません。原作のアニメにはちょっとずつある、ほんの少しの喪失感みたいなものが、漫画にはないからかなあ。神様が見えなくなった祀とか、ミコと章吉の関係の成り立たない辺りとか、ゆりえが生徒会長の職を失ってしまうところとか、カメラマンになりたかったけど結局市役所勤めのお父さんとか、夢破れて
尾道に帰ってくる八島様とかタマとか。
かみちゅは、ほのぼのとしつつも、挫折とか喪失がうらっかわにあったよーな。最後のあたりの将来についての話とか。そんなのが、漫画には含まれていないよね。
風の強い日に屋上で告白すると、その恋は叶うと。そういう言い伝えがあるのよ!
あたしが、今考えたんだけど!