もう、ゴールしてもいいよね。(『魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜』作:よしづき くみち)

漫画版『魔法遣いに大切なこと』その3。長崎を舞台にした第二シリーズに続き、今度は北海道は美瑛から出てきた女の子が主人公。なんかアニメもやっていたらしいので、「アニメになった漫画を読もうシリーズ」でもある。
美瑛って、去年の夏に行ったなあ。以下、ネタバレあり。というか、本当に「もう、ゴールしてもいいよね」という感じの少女の一夏のすれ違い続きの恋の話だったと書いた時点ですでに完全に物語り内容をもれなく示したような気がする。

一面の向日葵が記憶に残るなあ。……と思ったら、実際そういう話だった。

女の子一人に焦点を置いて最初のと、地方都市を舞台に男女六人の複雑な恋愛模様中学生日記だった二つ目に続き、今回は最初にあった感受性と二つ目のシリーズの地方色が混ざった一夏のお話だったと思うのです。

難点を挙げるなら…… 短いことか。二冊しかないのに話を突っ込みすぎなんだよなあ。特に、短い話数でラストにつなげていくため、エピソードとしての納得感がなんか今ひとつというか。解釈に困る終わらせ方だと思った。

本人がなにがしかのゴールを達成するために、一面の向日葵畑を復元しようとするのはわかんなくはないんだが、それを母親や教師が止めようとしないというか、むしろ一気にゴールインすることの後押しをしてるのはなんでだろうなあ。もはや大人として色々覚悟してしまって、好きなようにさせてるということなのか。