ロッキ−・ザ・ファイナル

「あの頃は楽しかったじゃなくて あの頃も楽しかった……よね」
「だから いずれは変わっていく 今を この素敵な時間を大切に ね」

という映画。
ロッキーが選手だったのはずっと昔。恋女房のエイドリアンは死に、息子は親の七光りに萎縮し、旧友達は年老いていて、リングは若者の場所になっていた。イタリアンレストランの支配人として、悠々自適の生活を送り、たまにレストランの客に昔の栄光を話すという毎日。

死んだ妻の墓参りと、伝説的な元ボクサーとしてただ過去を振り返り続ける毎日。本当にそれでいいのか?
結局、ロッキーは『恥ずかしいから止めてくれ』と泣き付く息子に熱弁を振るい、ライセンスの再交付を渋るボクシング協会の面々にも熱弁を振るって、再びリングに戻っていく。会話劇が主体なんで、あんまり今回はボクシングしません。

かつての英雄(アクション俳優)の年老いた姿を比較的しっとりと見せるって言うのは、イーストウッドの『グラントリノ』に通じるところがある。
んだけど、ロッキー、よく長台詞をしゃべるようになったなあ。というのが強く印象に残ってしまった。なんか昔は何も考えてないように見えたのに、今作では理路整然と相手を説得する場面が多すぎる。年を取ったからか。それとも脚本の都合か。