闇の左手

危うく腐り姫日記になるところだった。古典SF小説ですが、未読でした。
アーシュラ=ル=グィンの小説で読んだのは、『言の葉の木』『世界の合言葉は森』に続いて三冊目。
定番の『ゲド戦記』すら読んでません。以降に書くように、ル=グィンはなんか苦手です。


最初に読んだのは『言の葉の木』で、着想はすごい好きだったんですが、くどくどとした文章についていけなくて、そんなに楽しめませんでした。
本書もそのSFとして突き抜けた独自性とか、お話の筋たてとか、雪の惑星のイメージとか、登場人物たちには好きですが、文章がちょっとしつこくて辟易としました。というか、ストーリーが進まなさそうな場所は、頻繁に斜め読みしました。
イーガンのしつこい論理展開は違和感を感じながらも読めるんだけどなぁ。


以降ネタバレ。


26日ごとに男女のどちらの性になることもできる、ジェンダーのないゲセン人が住む氷雪の惑星<冬>にやってきた男性使節が、惑星連合みたいなものに加わるよう惑星<冬>の政府に対して奮闘する話。


雪の惑星、大雪原のイメージ、その惑星に住む性別のない人々の持つ世界観などは非常に面白いと思うのだが、正直いうとあまり楽しめなかった。地の文章のくどさに負けた気がする。


というわけで、いまだに私にとってのル=グィンのベストは短編集『世界の合言葉は森』です。あれが一番くどさを感じなかった。