八周目

腐り姫

腐り姫

八周目。ヒロインはなし!。というか、潤導入編。


蔵女は「迷子の子」から「本家の子」へ設定を変更して、最初から一家の中にいる。
四周前くらいから、蔵女と険悪でなくなっていた潤はついに蔵女が樹理と似ていることに気が付かなくなる。
すでに伊勢も夏生も青磁も芳野も世界には残り滓しかなく、主人公は蔵女に立ち向かうこともできない。残った潤まで犠牲にすることはできないと、主人公は蔵女を探して廃坑へと入り込む。
だがそこにも蔵女の姿はなく、行くあてのない主人公は一人廃坑跡でひざを抱えて丸まり、妄想から逃れようとするのみ。


幻のように現れた夏生の残滓は「これでいいじゃない。私はあなたに優しくなれたし、芳野さんは理想の母親になれた」という。
「ホンモノでなくても、私はあなたの理想であるはず」。
ああ、いつまでも『Air』から逃げられないんですか。いや、鳥の歌のヤツじゃなくて、〜まごころを君に、から。


「そんなにあなたが大事だという、あなたの家族は、本当に理想的な家族だったの?」


家族の姿が記憶のなかで徐々にはっきりとしていく。
飼っていた犬は死に、母は常に狂気にあり、父は母の幻を求めて、妹は主人公に依存する。


それでも、ついにとうかんもりの燈篭流しの祭が始まる。
燈篭流しの祭を見つつ、世界は赤い雪に包まれる。