ターミナル

ちゃんと面白かった。この半年間にみたDVDのなかではベストかも。
……違うな、訂正。この半年間にみたハリウッド映画のなかではベスト。


あらすじはご存知のとおり。
ロシア圏の国からニューヨークにやってきたトム=ハンクスだったが、彼がJFK空港に立つちょうど前日、故郷でクーデターが勃発。国のない彼のパスポートは無効となり、アメリカに入国できなくなった英語も分からない彼は、空港のスタッフによって旅客ロビーに置き去りにされ……作中の科白によれば、一年近くも彼は空港で入国が許されるのを待ち続ける。
その間、彼はロビー内で英語を勉強し、仕事を得て、友達を作って、空港のスタッフとはやりあい、スチュワーデスと恋に落ちて……


舞台が限定されているお話は大好きなので、その点でも非常に楽しめました。
空港スタッフは、空港内で起こっているほぼすべてのことを把握しているわりには、まるで全能でないあたりもよいです。


そりゃ、主人公の純朴さがほとんどフォレスト・ガンプの域に達しているように、キャラクター付けが極端だとか、キャサリン・ゼタ=ジョーンズはさすがにヒロインを張るには年増すぎる(作中設定では39歳!。トム=ハンクスも「僕も昔は39歳だった」という科白があることから40代でしょう。40代独身)だろーとか、映画的な名シーンをつなげようという意図が透けてみえちゃうとか、トム=ハンクスが空港を出たあとの展開は蛇足だろうとか、文句をいいたいところは多々ありますが。


久しぶりにハリウッド映画のコメディでちゃんと笑えたし、主人公が自分の国がなくなってしまったことを知って動揺する場面ではぞくりとした。
下手なSFより、こうして物語背景としてさらりと書かれた方が現実味がある気がする。