恋人たち 〜機動戦士ZガンダムⅡ〜


ブレイブストーリー始め、あらしのよるにとか、
新規にアニメ映画を二本も三本も作る資金があり、
かつ、終戦のローレライやら、亡国のイージスみたいな、
ヘボ戦争映画に出す金があるのに、なぜZガンダムに出す金がないのか。


そこそこ当たることが確約されているのに。
それとも、「この程度の出来でも客が来るだろう」と思われているのか。


監督およびスタッフの編集能力の高さはよくわかったが、
同じ場面のなかで新作映像と旧映像が交互にでてくるシーンの連続に、
正直かなり萎えました。
とくに前半のヒッコリーからニューホンコン、ことにフォウのエピソードでの、
旧作画像と新作画像の切り替えの多さはひどかったです。


絵、ことに戦闘シーンが非常にリファインされてたⅠにくらべ、
今回はエピソードとストーリーのリファインに力を注いだ感じです。
Zガンダム登場編のわりにあまり活躍してないし、ガブスレイもハンムラビも、
扱いはⅠのアッシマーギャプランほどのインパクトがない。


「アポロ作戦」を大きくはしょったし、「キリマンジェロの嵐」を省略できるし、
クワトロとレコアの関係はちゃんと書いたし、死ぬ人はちゃんと殺したし。


ただ、それならいっそロザミアやヤザンも撃墜してしまって良かった気もしますし、
サラを捕まえては逃げられる展開が後半40分で繰り返されるため、非常にその辺、
ゴタゴタしてる感じがします。
シンタとクムも、もはや要らなかったんじゃないかなー。


「恋人たち」サラ、マウアー、フォウはそれぞれ新しい声で登場。
フォウはそれっぽい(初台詞辺りではそっくりさんかと思った)けど、後々は違う。
本人の扱いも、なんかガンダム劇場版のミハルみたいだったし。
マウアーはハマーンの声が変わってなかっただけに、違っていると新鮮でした。
サラは元からヘタウマな感じだったので、ヘタウマな感じがそのままで良かったです。
おそらく、一番本人と違う声なんだろうけど、3人の新キャラの中では一番だった。


逆にヤザンは声に変化がなくて良かったなー。
周りの声が変わっているだけに。
あと、ラムサスとダンケルは省いたもようで、それもよかった。
カメラに死角があるのは、ハンムラビだったよーな気がするけど、ギャプランで良かったんだっけ?


ロベルトがシャトル打ち上げの際に死んでないはずなのに、以後でてこないのが気になった。
ちゃんと新作カットで出してやってほしい。


逆に、ジャミトフって新作シーンしか無かったような気がする。
議場に向かう途中が旧作シーンなだけか?


Ⅰと引き続きよかったのがエマとファ。
こんなに自分がエマで萌えるとは思わなかった。
ヘンケンとのカップリグも、登場するカップル中で一番よいよーな気がする。
次点がシロッコとサラ。


というわけで、劇場版はⅢまでこんな感じで未完成品を見せられるのは、もうわかったので、
儲かったら完全新作のDVDを1本か∀みたいに再構成版をもう一度作ってください。
それだけが現時点での望みです。


新作部分だけだったら、ちゃんと酔えるんだけど、旧作部分がでてくる度に、
現実に呼び戻されるよーな感じがするのです。

一日経ったんで追記

Ⅰを見たときに落差のひどさは分かっていたのですが、
Ⅰは比較的長いカットが多く、新作部分を連続して使う所が多かった気がします。
今回はワンカットで新作部分が終わって、一言しゃべると次から旧作、
みたいな場面転換が多かったので頻繁に二十年前に呼び戻されました。


前半が特にひどく感じるのは、僕が、
フォウのデザインが変わってるように感じたからかもしれません。


サラとかシロッコとか、エマとかフォウは昔も今もあんまり変わらないのに、
フォウは髪の描き方とか頬の形から、はっきり別人に見えるからなあ。


これはレコアもそうなんですが、今回レコアは新作場面ばっかりだったし、
声も昔と同じなので、そんなに違和感をかんじなかったのかと思われ。


ともあれ、「このDVDは失敗作なので見てはいけない」とか言っておきながら、
この未完成品は見てもいいのか。ちゃんと予算をとってVガンダムでも作り直せ。
バイクとV2がでないように。