象と耳鳴り

象と耳鳴り

象と耳鳴り


ディアスポラまで後一冊。


話を落とすのに失敗することで知られる作家恩田陸による「本格推理短編集」。
だがしかし、謎を回収するのに全力を注いだためか、
ほぼすべての短編でちゃんとオチがついていて、しかも面白い。


最後の短編「魔術師」に触れた後書きで、「地方自治」というテーマを、
いつか書きたいと書いていて、新城カズマの「サマー・タイム・トラベラー」と重なるように感じた。
というか、この短編集自体読んでいて、「サマー・タイム・トラベラー」の、
主人公の母親に関する短編集とかでないかなー、とか思ったし。


後書きは驚きの宝庫である。
10年目にして、「六番目の小夜子」の主人公が関根秋だと知った。


これまでずっと津村沙世子か、花宮雅子が主人公だと思っていたのに〜。