パーンの竜騎士

竜の戦士 (ハヤカワ文庫 SF 483 パーンの竜騎士 1)

竜の戦士 (ハヤカワ文庫 SF 483 パーンの竜騎士 1)

アン=マキャフィリィです。
前に無限のリヴァイアスにはまっていたころに「歌う舟」を読んでハズレだと思って以来、アン=マキャフィリィの小説には手を出してなかったのですが、ブックオフで100円で売っていたのを買って読んでみたら大正解。
自分の現在の気分にかなりぴったりなSF小説で、面白かったです。


「歌う舟」のときには、恒星間宇宙船を舞台にしたSFっぽい見た目だったのに中身のSF設定があまりに大味だったので拒絶反応を起こしたような気がします。この本は、SF風味を装ったファンタジー小説だったので、多少大味でもライトファンタジーだと思って展開を追いかけることを楽しめました。


主人公でありヒロイン役の少女レサの性格がとってもいいのです。
登場してすぐに「狡猾」とか「人を操ることに長けている」「暗い」と表現されるシンデレラ役のヒロインも珍しいと思う。
というか、最初の活躍場面から、下働きに身をやつしつつ、謀略と嘘八百で両親を殺した簒奪者を殺すっていうシーンだし。その後はシンデレラとして女王に取り立てられるわけですが、そこでもすぐに人心を掌握すべく暗躍するし。


それだけに自分の竜と出会ったときとか、レサが朗らかな表情をしてる場面ではほっとします。これがツンデレの魅力っていう奴でしょうか。60年代SFなのに。


中盤でレサが竜騎士と夫婦になってしまってから、すこし中だるみしますが、竜騎士たちの天敵である糸胞との戦いが始まる終盤以降の盛り上げ方がとても良かったです。
やっぱりライトファンタジーもよい。と思った一冊でした。