奇妙な戦争

同盟軍の結成まで

ローレシアムーンペタの保護のため、すぐに三国へ宣戦を布告した。
だが、同じ同盟国であるサマルトリアの反応は鈍かった。
ロト王家が絶えていたためローレシアとの一体感もなく、
もともとローレシアに比べて有力者に親アレフガルド派が多く、
さらに強力な国軍を持たないサマルトリアにとっては、
戦争に積極的に関わる必然性がなかった。


このため、ローレシアの軍使は何度となくサマルトリアを訪れ、
各地でサマルトリア軍の上層部との会談を求めたが、
王城でも軍営でも、まったく面会することができなかった。


その間に、ルプガナの艦隊はムーンペタ半島をほぼ支配下に置き、
灯台を中心にローラの門近くまでの制海権を手中に収めた。

同盟軍の誕生


アレフガルド軍はサマルトリアの西岸へ上陸した。
サマルトリアはこれを迎撃すべく動いたものの、
サマルトリア軍は弱兵であり、また極めて士気が低かった。
アレフガルド軍の前に惨敗し、旧サマルトリア城跡を奪還された。


この状態に至って、ようやくサマルトリアローレシアと協調歩調を取るようになった。
ローレシアサマルトリア同盟軍は旧サマルトリア城で、
アレフガルド軍と抗戦、アレフガルド軍が毒ガスを利用したため、
大きな被害を受けたものの、かろうじてこれに勝利する。


ついで、同盟軍はローラの門からムーンペタ半島へと進撃し、
じりじりと戦線を押し下げることになった。
ローレシア軍は、サマルトリア軍に常に足を引っ張られたものの、
着実に勝利を続け、会戦後数ヶ月でムーンペタを奪回した。


ローレシア軍は、ルプガナに協力的だったムーンペタの指導者を
悪魔のように中傷して牢獄へと放り込み、変わってロトの血をひく、
という少女をどこからか捜し出してきて、ムーンペタの女王とした。


この少女はローレシア軍に発見される以前の記録が乏しく、
出自が極めて怪しかったため、さまざまな説が生まれているが、
実際の所はムーンペタの親ローレシア派が担ぎ上げた傀儡であった、
というのが定説である。