エルフェンリート4〜12

エルフェンリート 12 (ヤングジャンプコミックス)

エルフェンリート 12 (ヤングジャンプコミックス)


3回に分けて読もうと思っていたんだけど、9巻以降は手を離せなくて一気に読んでしまった。
全部で三時間ほどで読み終えた。面白かった、絶賛しとく。
寄生獣で始まって、ラブひなになりかかったものの堪えて、トライガン的大決戦をしかもキレイに終わらせたのは凄い。

幼なじみヒロインの見せ場があんまりなかったり、それは死んだだろうと描写された人間や犬が生きてたり、おむつの子はいなくても良かったんじゃないかとか、けちの付け所はあるんですが。

何の特殊能力もないへたれな主人公(私は「けいたろー」と呼んでいた)が、ちゃんと話をまとめきっのと、実質的な裏主人公だったナナが、最後に幸せになったので良かったかなあ。と。あと好みだったキャラは女助手とSATの兄ちゃん。

ナナは回りがひどかった(所長とかけいたろーとかにゅうとか)時に、なにより他人に寛容で、戦闘力もあって、事情もだいたい知っていて、出てきてから主人公街道を突っ走った。いいキャラでした。助手はいつ死んでもおかしくなかったのに最後まで生き残ったし、SATの兄ちゃんはそのサイボーグっぷりが。シュトロハイムか。
あとのパンツ女とかパンの耳女とかおむつ女のことは知らん。

3巻を読んだ時点では、明らかに設定が破綻していたわけですが、それからがんばって理屈付けをぐりぐりとやって、過去の設定をがりがりがり、と追加していって、するとまた矛盾が出てきて、それをまた設定で塞いで、がんばって8巻くらいまでにキレイにしていたのが、後々の勝因であると思われます。それでもまだ、時系列にはかなり混乱があるわけですが。

幼い頃にナディアですり込まれたからか、クライマックスのネオアトラン落ち*1がとっても良かった。
種子島からのロケットが鎌倉市街へ落っこちる、という場面では、「おおっ、獅子号か!」とか阿呆なことを思ったし、鬼の一族がどうこう、と権力を握った人間から言われると、ガサラキってこんな話だっけ、と思ってしまった。

でも、陰惨な場面や悲惨な展開が多いことは間違いなく、一見解決しているようで、「人間以外」に対する人間の性質については何も解決してないんだよなあ。良い人間もいて、私は幸せに暮らせた、で解決にしていいのかなぁ。
最後の辺りでついたおむつ女に関するサブストーリーのオチも「虐待してたのは愛していたからだ」的な解決で、それで許されてしまっていいんだろーか、とは思う。

だが、しかし、最後のオチの付け方は良い。
お父さん泣きすぎ。

*1:「私は下等な人間ではない。新人類だ!」「私とお前で新しい世界を作ろうではないか」→「お前はただの人間だ」