V for vendetta

Vフォー・ヴェンデッタ [DVD]

Vフォー・ヴェンデッタ [DVD]


ウォシャウスキー兄弟の関わった映画っていうことですが、「マトリックス」続編2つがあんまり面白くなくて恐々、と見たのですが、これは非常に面白かったです。
劇場で見てたら最後のシーンとか見応えあって面白かっただろうな、残念。


二十一世紀初頭のイギリス。
テロリストへの恐怖を利用して躍進した極右政党のもと、秘密警察と情報統制による一党独裁政治が行われていた。異教徒や同性愛者、リベラルな人々は片っ端から強制収容所へ送られ〜といった描写は、確かに過剰なパロディだとは思うけど、切っ掛けがアメリカとの同盟だったり、悪役のイギリス軍人の従軍歴にイラクがでてきたりと、ヒヤリとする部分も多くて、いいバランスをとっている。


第三次世界大戦後の世界の割には、あまりサイバーパンクになってないのも、良い味出してるといえば出してる。……やっぱり、第四次非核大戦を経ないと光学迷彩とかできないものなのかなあ。


で、仮面の男Vが陰謀とハッタリを巡らせるのですが、時折ナイフ術を使うものの、基本的にはハッタリ一つで国家の転覆を謀るストーリーは非常に面白かったです。無意味にVにいじめらたり、コスプレさせられるナタリー・ポートマンが哀れといえば哀れですが。


「なぜ死なないのか、教えてやろうか?
 この仮面の下にあるのが『理念』だからだ。『理念』は死なない」
とか、言いながら、ものすごく痛がってるVの台詞回しのハッタリ具合がまた、凄くよい。
「お前と私の共通点はただ一つ。もうすぐ死ぬところだ」とかね。
ナイフの使い方がなって無いような気がした。だが、それは本題ではない。