イリヤの空、UFOの夏 vol.3 十八時四十七分三十二秒

イリヤの空、UFOの夏 3 [DVD]

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あ、今まで見た中で一番出来がよい。1話と2話が、原作なぞっていたら、なんとなくこんなアニメができました、みたいな感じだったのに比べて、「こういう話を見せたい」っていう気合いが入っている。
背景を含めて作画もいいし、冒頭の五ヶ月前から始まる日数のカウントダウンとか、伊里野が作ったせみの墓がゴミ捨て場になってたり、「どっちかな?」と晶穂のなかで伊里野の声で台詞がリフレインする演出もいいし、夕暮れのブラックマンタのダンスも気合いが入りまくりで見応えあり、よくある演出だけどタイトルの出し方もよいと思う。全話見ようっていうんじゃなくて、ただアニメになった「イリヤの空」がどんな感じか見たいだけなら、1、2話は見ないでこれだけ見ればいいような気すらする。

そりゃ、俺が晶穂>伊里野のヒトだからですか、そうですか。

<その2>の十八時四十七分三十二秒を丸々映像化した感じで、今までのエピソードと比べると削られてる部分や変わってる部分が少ないです。夕子の演劇とかがなくなってるのと、旭日会とかのギミックが丸々なくなってる『だけ』で、主要なエピソードは削られてない。ただ、その分詰め込み度が高く、晶穂があんまり葛藤せずに「あたし、あの子のこと嫌いだもの!」と言ってる気がするが、言っちゃった後の引っ込みが着かなくなった様子はとっても良い感じだ。逆に先坂とか、話数が詰まってるんだから、椎名だけでいいんじゃないかと思ったが、省略されずにこうやって出てきたのはなんでなんだろうなあ。

なんか、次は「無銭飲食列伝」じゃないようで、すると晶穂の話はこれが最後なのか。残念。しかも、それだとこれが、ハッピーに終わりそうな感じがする最後の話なんだよなあ。あとは、「ハッピーに終わるわけないだろ、この絵面で」って話になってくんだよな。