ブレイブストーリー

ブレイブ ストーリー [DVD]

ブレイブ ストーリー [DVD]

劇場版。
たしかに絵がキレイ。幻想世界をとても美しく描いていたと思う。動きもよい。

1000頁を越える原作を2時間に収めるために、猛烈な勢いで原作からエピソードと登場人物を端折り、複雑な心理描写や、人種差別、宗教対立などをモチーフにした部分も背景設定まで含めてばっさりとそぎ落とした潔さはマル。見てて心地よい映画になったと思う。

だけど、そのために原作の一番の売りであった『知恵と勇気で問題を解決していく主人公たち』『現実世界の鏡像である幻界』、『長い旅の末に心身共に成長する主人公』があまり描かれてなかったのは残念。それだから、見終わった後で『なんで現実世界に戻ってから母親と幸せになれるのか?』という疑問がでるんだよな。
また、原作小説にあった人死に、差別、人間性の醜い部分に関するエピソードは、重要なものでもほぼなくなっており、正直大人が見るにはかなり食い足りない。原作は、どのキャラクターにも等しく欠点を書き加えられている点が、非常に魅力的だっただけに、ちょっともったいない感じがする。

主演の松たか子も、ウェンツもけっこう熱演してたと思う。とくに松たか子はしゃべりっぱなしの割には、あまり本人の声に聞こえるシーンはなく、頑張ってる感じ。なんだけど、宣伝とか、特典映像とかみてると、ミーナ(斎藤千和)とかオンバさま妖精バージョン(川澄綾子)の扱いが悪すぎる気がするんですけど。キャスト紹介でミーナが最後から二番目ってなにさ。

というわけで、全員声優に置き換えたTVシリーズを期待。