リーンの翼 第6話 桜花嵐

リーンの翼 6 [DVD]

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迫水王のオーラバトラー:オウカオー、って、迫水が特攻隊(で桜花に乗っていた)から桜花なのか。と、今日初めて気がついた。

というわけで、最終話である。正直、ギュウギュウ詰めに詰められていて密度が高いが、それ以上にシーンはしょりすぎ。前のシーンとのつながりが、謎のシーンつなぎが多すぎる。迫水王が後添えさまと副官に剣を向けた後の場面は、どう繋がって次のハイパー化の場面になって居るんだろう。地上界メンバーのエピソードもかなり未消化で、あと一話欲しかったところだ。主人公の父親と母親は、ブレンパワードのウィンストン・ゲイブリッジと伊佐未直子の焼き直しなのかなあ。とチラリと思ったものの、母親の出番は第一話以来のような気がするので、確信まで及ばない。
と、ストーリー部分はすごく端折られているのだが、そのなかで今回主人公とヒロイン、リュクスとエイサップのキスシーンがえらくねちっこい。キスシーンの回数的には、ブレンパワードのユウとヒメと同じようなものだが、こっちのほうがずっと描写がしつこい。ブレンパワードはWOWWOWとはいえ、TV放送とOVA作品の違いか。

東京空中戦でオーラバトラー満載。戦闘機から発射されて飛び交うミサイルの軌跡とそれをかいくぐるオーラバトラーの描写が実に見事だが、主人公を良い子に設定しすぎたせいか、迫水王がクライマックスで諭されて納得してしまったためか、主人公と悪役が剣を交える場面はほとんどないので、なんか未消化な感じが残る。
ラストシーンは異世界からやってきた和服姿のヒロインが桜吹雪の中、墓参りをする場面でキレイに終わるのかなあ、と思ったらなんか唐突に逆「劇場版エスカフローネ」みたいなオチで終わった。
この最終話のポイントは、やはり「禿」だろうか。富野由悠季監督は、この作品を通じ、ストレートな太平洋戦争描写や、オーラバトラーバイストンウェルへの再挑戦よりも、男が年老いることと髪がなくなることのインパクトの大きさを語りたかったのではないだろうか。違うか。そうか。なんであのシーンだけ、あんな気合いが入って居るんだろう。