シュレディンガーのチョコパフェ

シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫JA)

シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫JA)

山本弘の最近の小説に手を出してみようシリーズ。その1。

話はまるっきり、イーガンの『宇宙消失』なのに(とくに現実が崩れていく町の中を主人公が走る場面は、「宇宙消失」そっくりのイメージだった)、山本弘がかくとえらくポジティブだ。イーガンのはあんなに、ネガティブだったのに。山本弘は昔っからこんな感じで、海外SFを下敷きにした小説を書いていたけれど、このどうしようもなく「ポジティブ」な成分が山本弘による付加部分なのだな。と思った。どうでもいいが、歌詞が完全にうろ覚えだった。「私のことを一番幸せにできるのは、だれっすか?。私っきゃないっしょ!」というのは非常にポジティブな立場で好きだ。誰がお前のことなど頼りにするか、っていう感じが。

この話の教訓は、オタクは年を取ってからが、色々知識と経験値が混じってきて面白い。ということだと思う。